「合唱団よびごえ」は、2016年に東京学芸大学音楽科有志によって創設された合唱団です。声楽専攻の学生や、大学から合唱を始める学生など、様々なバックグラウンドをもつ団員が所属しています。現在は、学外での合唱祭やコンクール、学内での演奏会に出演する他、都内で活動する中高生と一緒に合唱をしたり、都外への勉強の旅も始めました。
 「合唱×教育」をテーマに、ゆっくり時間をかけて、合唱の楽しさ、難しさを一緒に感じてもらえると嬉しいなと思います。新入団員、練習見学は随時ご相談ください!
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08
August
2025

【2025】よびごえ日誌 vol.3 前期まとめ編

みなさん、こんにちは。前期も終わり、いかがお過ごしでしょうか?
前期期間中は天候が不安定だったこともあり、僕も含め、体調を崩されている方が多く、今までになく、稽古でご苦労をおかけしたと振り返っています。そうした中でもお一人お一人が稽古に前向きに取り組んでくださったり、会場確保や開錠・施錠、オンライン時はPCのご準備など、さまざまに運営にご協力をいただいたこと、本当に感謝しています。
 
今回のよびごえ日誌では、前期の活動を簡単に記録しておきたいと思います。記録が無いと、いつの日かの未来に、この期間中を振り返ることができないので、それは寂しいと思いました。
(後期の活動に向けたメッセージを最後に書いています。)
 
 
今年の合唱祭では、信長貴富作曲の「こころよ うたえ」と、ディズニー映画『ヘラクレス』より「Go the Distance」の2曲となりました。1曲はみなさんから、もう1曲は僕が選ばせてもらう、というスタイルでした。
 
「こころよ うたえ」は、みなさんが選んでくださった作品でした。
僕はいろんな現場で耳にはしていましたが、この曲をきちんと勉強したことがなかったので、良い機会となりました。個人的には、エネルギーをひたすら発散するタイプの作品(とりあえず大きな声を出しておけば良いタイプの作品)は、あまり演奏したいとは思いませんが、この作品については、そうした演奏をいくつか聴いたことがあり、楽譜がそれを要求しているのかな?という先入観のある作品でもありました。
実際、詩と楽譜を見てみると、決して、そんな単純な曲ではなく、むしろものすごく繊細な作品だと思いました。加藤さんが詩の全編を共有してくださり、この詩を感じることができました。感謝です。
詩の全編では、「風、暦、光、街、弱さ、道、仕事、夜、涙、詩」、これらについて語った後、最後に語られるのが〈心〉についてです。規模の大きな詩の最後の〈心〉の部分のみ合唱作品化されたわけなので、もちろん、この作品のことをきちんと勉強しようと思うと、この詩全体から主人公に関する情報を得ることは大切です。
この主人公は、風が知らんぷりをしても自分から風にあいさつをしようとしたり-、人生はつらいことばかりで-、世界は明るくても、自分の中にはほのかに暗い心があって-、弱さは僕が守ってあげる、だけども僕は誰が守ってくれるんだろうと思ってみたり-、夜が空から降りてきてぼくの隣に座ってくれたら、その肩にもたれてみたいと思ったり-、韻律(規則的なもの)があれば避けて通ったり-。誰にでも優しくて、決して陽キャではなくて、誰かに甘えてみたいと思ったり、でもルールには縛られたくない……、この主人公に、僕は共感できるところがあります。みなさんはどうでしょう?
 
「こころよ うたえ」の歌いだしは、いきなり、「こころよ」という言葉が2回繰り返され、「だから こころよ せめて うたえ」と始まります。楽譜だけを見ていると、「だから」という言葉の意図が不鮮明で(何に対しての「だから」なのか分からない)、「せめて」という言葉も同様です。そうしたこともあり、稽古では、この曲の理解を深めるために、2つの問いを投げてみました。
 
 
1.なぜ前置きが無い中でいきなり「だから こころよ」と始まるのか なぜ心に対して「せめて歌え」なのか 
*楽譜にフォルテと書いているから大きな声を出せばいい、という演奏(思考)から抜け出したい
 
2.「ぼく」はなぜ「思いっきり肯定的な歌を聴きたい」のか 
  *肯定的な歌を聴きたいという箇所のエネルギーが再現部を誘っているため、ここの解像度を高くしたい
 
 
みなさんに考えてもらった内容は、次の通りでしたね。
 
 
1.
「だから」は一般的には前置きを踏まえて使う言葉なのに、今回は前置きが無い。
>歌いだしの前に、詩には描かれていない、〈なにか〉があった説
>僕は哀しく、切なく、肯定的な歌を聴きたい「から」、歌ってほしい
「せめて」は、歌うという行為にかかっているのか、心という対象にかかっているのか。
>たぶん、歌う行為にかかっているのではないか?
心にある複雑さや空虚、震え、繰り返しは「消えてしまう」 ➡ 「だから」「せめて」歌え
上手く言い表せないけど、たしかに在る、というのが心なんじゃないか
 
2.
「ぼく」にとって、なにか大きな出来事があって、打ちひしがれている状況で、いまこういう状況だけど肯定的な歌を聴きたい、ということなのでは?
 
「ぼく」はいま、哀しく、切ない状況
明るかったり、元気にしてくれる、いまの自分を変えてくれる歌ではなくて、「いまの自分のままでいい」と言ってくれる歌が聴きたいのでは?…

現役チーム


石川花世Hanayo Ishikawa
石丸徳Megumi Ishimaru
井藤一輝Kazuki Itou
伊藤陽杜Haruto Itou
加藤優奈Yuna Kato
小林翔人Shouto Kobayashi
佐藤光紀Kouki Sato
佐藤七海Nanami Sato
新喜真由音Mayune Shinki
辰川真奈美Manami Tatsukawa
真鍋翔吾Shogo Manabe
室伏萌衣Mei Murofushi
柳本泰佑Taisuke Yanagimoto

OB/OG


泉晴陽Haruhi Izumi
一柳優里愛Yuria Ichiyanagi
井出哲Satoru Ide
伊藤真緒Mao Itou
稲村歌乃Utano Inamura
伊野綾那Ayana Ino
今城琴美Kotomi Imajo
大野菜々Nana Ohno
大瀧夏未Natsumi Ohtaki
神谷咲妃Saki Kamiya
草野圭祐Keisuke Kusano
國元美乃里Minori Kunimoto
小金澤萌花Moeka Koganezawa
佐藤花音Kanon Satou
鈴木慧Kei Suzuki
滝澤奏有美Sayumi Takisawa
谷夏七星Nanase Tani
土屋七海Nanami Tsuchiya
中島菜々子Nanako Nakajima
名嘉眞静香Shizuka Nakama
萩原春花Haruka Hagiwara
濱野瑞貴Mizuki Hamano
原田綾乃Ayano Harada
笛木和人Kazuto Fueki
藤原改Kai Fujiwara
堀切彩愛Sae Horikiri
槇佳絵子Kaeko Maki
松本夏実Natsumi Matsumoto
丸大喜Daiki Maru
森本侑花Yuka Morimoto

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21
July
2025

第80回東京都合唱祭

「こころよ うたえ」(一倉宏詩/信長貴富曲)
「Go the Distance」(David Zippel詩/Alan Menken曲/Ed Lojeski編)
ピアノ:鈴木楓雅さん(賛助)

02
March
2025

春こん。 東京春のコーラスコンテスト2025 銀賞

「クラシック・現代音楽部門(指揮あり)混声」
 
混声合唱のための『あい』より「あい」(谷川俊太郎詩/松下耕曲)
「Nyon Nyon」(Jake Runestad曲)
 


 

20
February
2024

春こん。 東京春のコーラスコンテスト2024 銀賞

「ユースの部 混声」
 
混声合唱のための『だるまさんがころんだ』より「Ⅰ」(矢川澄子詩/長谷部雅彦曲)
混声合唱のための『風の馬』より「第3ヴォカリーズ」(武満徹曲)
 
※演奏作品の説明は、Youtubeの概要欄に記載しました。