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タグ:合唱祭
06
July
2026
2026
【2026】よびごえ日誌 vol.8
今回のよびごえ日誌は、石丸徳が書かせていただきます。前回私がよびごえ日誌を書かせていただいてからおよそ1年半が経ち、私がよびごえに入団して3年目となりました。思い返せばこの2年間、よびごえの活動を通して多くの経験をさせていただいたと感じています。例えば、私は1年目にはテノールパートを、2年目にはバリトンパートとアルトパートを、それなりの期間歌わせていただきました。音楽科教諭を志望している私といたしましては、様々な声種で指導を受け合唱に参加した経験は大変有意義であり、将来子どもたちを相手にどのように言語化した指導を行うのかについて、多くのヒントをいただいたように思います。今年度の合唱祭では、再びバリトンパートを歌う機会が与えられました。今回も活動を通して良い演奏ができるよう追求しつつ、楽曲への解像度や合唱の理解を深めていきたいと願っています。
さて、今回は『星めぐりの歌』の冒頭部分について私が考えたことを書かせていただきます。
元となった宮沢賢治の旋律は、単純なヨナ抜き音階(ペンタトニック)で書かれています。ヨナ抜き音階は、中心音から完全五度を4回積み重ねてできる五音音階であり、完全五度(3:2)は1オクターブ(2:1)に次いで協和性の高い音程です。私たちが使用している12音の音階は、完全五度の協和性とその堆積によって成り立っており、私が思うにヨナ抜き音階は、最も原始的な五音音階であると言えます。
三宅悠太の編曲では、冒頭のハミングはG→D→A→E→Bと進行し、音階を五度跳躍とその転回でなぞっています。私はこのハミングのモチーフから、星座を構成する星々が順になぞられるような印象を持ちました。特に五度跳躍やそれを折り曲げた四度下降が、星々を折れ線で繋いで星座を結ぶ様子を、また完全五度で協和した一音一音は、星々が互いに近すぎず遠すぎず、調和した距離感を保っている様子を想像させます(ちなみに最後の2小節は、完全五度がほとんど折り曲げられずに7(6)回積み重なり、リディア旋法のようになっています。まるで今まで登場した星々や星座を下から上まで眺めるようです)。
6/19日の稽古では暗譜稽古を行いましたが、その際、ハミング部分は自分のパートだけではなく、全体で完成される線を覚えた方が良いのではないかということが話題になりました。ハミング部分が、星々を結ぶ「線」のモチーフであるとするならば、自分のパートが担当する「星」に目を向けるだけでは不十分であり、パートを超えて描かれる一つひとつの星座の「絵」を思い浮かべる必要があると考えます。
合唱祭までの時間は限られていますが、その中で少しでも楽曲の理解やイメージを共有して深めていきたいと願っています。 石丸徳…
04
July
2026
2026
【2026】よびごえ日誌 vol.7
みなさん、こんにちは。小田です。以前の僕の日誌では、合唱祭で演奏予定の2曲のうち、「あなたのことを」について書きましたので、今回の日誌では「星めぐりの歌」について、書いておきたいと思います。
この日誌を、ずっと書きたいと思い続けながらも、この1カ月、書いては消し、書いては消しを繰り返して、ついに今日になってしまいました。そうこうしているうちに、以前の稽古で、賢治の生涯のこと、信仰のこと、世界の見方のことを、簡単にですが共有し、さて、この日誌では、何を書き残そうかと思うこととなりました。
もう一度、この日誌をゼロから書き直すこととして、ただし、本番でみなさんに心の中で感じていただきたいことを、いまの僕の言葉で書き残しておきたいと思います。
宮沢賢治(1896-1933, 岩手県花巻市)
賢治は裕福な家に生まれ、勉強したいことをさせてもらえ、鉱物収集や星座、農芸化学、造園、宗教、音楽、演劇など、37年の生涯で、たくさんのことを知ろうとして、実践した人でした。彼の信仰は、〈南無妙法蓮華経〉とお題目を唱える法華経との結びつきで語られますが、父政次郎の浄土真宗、彼にとっては恋人のような存在だったとされる保阪嘉内(1896-1937, 山梨県)が影響を受けたキリスト教、妹トシの霊魂を求めて旅した際に出会ったアイヌ信仰など、様々な信仰の影響を受けながら彼独自の世界の見方が構築されていき、より良い生き方を探し求めていたと考えるのが妥当でしょう。
彼が生きた時代は西洋化が急速に進むニッポンであり、科学や合理的な思考が広がったことで、誰も見たことがない死後の世界に過度な期待をするよりも、今生きているこの世界のことをより深く知ったり、より良くしていくことに興味が湧くことは自然だったように思います。賢治もまた、その一人でした。
賢治は、この世界について知ったこと、考えたこと、気づいた真理(らしきもの)について、詩や童話という、書き物を通して表現しました。彼の作品の中には、たくさんの動物や植物、星座といった知識が出てきますし、この世界に生きるものはすべて、食べて・食べられるという強者と弱者の関係性の中にいること(この関係性から逃げ出そうとすることは死を意味すること)、そうした世界のなかでの本当の幸せとはなにかという問いが、いくつもの作品の根底に流れています。
ここから先は、僕個人の賢治の見方です。
結局のところ賢治は、この世界は美しいということに心の底からの確信をもちたかった、ただその一心で勉強し、草木も風も動物も星もアニミズムとして、すべてこの世界を構成する命ある存在として、人間と平等に捉えていました。
賢治の晩年に書かれた詩を1つ紹介します(著作権は切れています)。
眼にて云う
だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
けれどもなんといゝ風でせう
もう清明が近いので
あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
きれいな風が来るですな
もみぢの嫩芽(わかめ)と毛のやうな花に
秋草のやうな波をたて
焼痕のある藺草(いぐさ)のむしろも青いです
あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
これで死んでもまづは文句もありません
血がでてゐるにかゝはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですかな
たゞどうも血のために
それを云へないがひどいです
あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。…
19
June
2026
2026
【2026】よびごえ日誌 vol.6
こんにちは!約1年半ぶりとなります、3年B類の佐藤七海です。現在の合唱祭に向けての稽古の中で私が思ったことを少しずつお話ししようと思います。ほとんど世間話のテンション感です。「暇だなぁ~」という方はここで私とおしゃべりしていきましょう!(笑)
まずは、新たな仲間が増えてとっても嬉しい気持ちです。
昨年度は、稀にみる女声不足によりアルトが私一人という危機にも陥りかけましたが、同期の石丸くんにアルトに加わっていただいて、何とかよびごえなりの形を探しながら混声合唱に挑戦していました。
4,5月、来年度以降のことも想像して、正直不安が拭えなかった新歓期間ではありました。隙あらば宣伝していました。(しつこかったと思います、ごめんなさい…)
そんな中、現在3名が新しくよびごえの一員として参加してくれています。やっぱり一緒に歌い学ぶ仲間が増えると楽しいし嬉しいです。これからたくさんやり取りしていけたらなと思います。
今後も時期、学年、性別、問わず大歓迎なので、ご興味ある方はぜひご連絡ください!(←しつこい!)
6月現在、合唱祭に向けて本格始動しているところです。というか気が付けばもう1か月を切りました。
今回のテーマは「しあわせ」。個人的にはとても気に入っている曲目とテーマです。
新歓コンサートでは、団員の中で「優しい」演奏にしようというテーマがありました。その優しさの先に「しあわせ」を見つけられたら、あるいは作り出せたら、なんだかとても素敵じゃないかなと思っています。
そしてこの2曲の私の推しポイントは、言わずもがなテノールソロです。「あなたのことを」も「星めぐりの歌」も、テノールがおいしい。よびごえが誇る、激こころづよテノールパートが輝くと思うので、楽しみです!プレッシャーをかけたいわけではありません、本当に楽しみなだけなのです。
さて、長くなりそうな予感がしてきました。すみません。お時間のある方はもう少しお話し相手になってくれると嬉しいです。
「あなたのことを」について考えていることを少しお話します。
考えているだけで、なぜかわからないけれど元気が出る「あなた」。どんな人だろうと考えてみました。すごく個人的な話になってしまいますが、私には物心ついた時からの推しがいます。歌詞に出てくる「あなた」が推しというのは、少し浅く感じられてしまうかもしれないけれど、私にとっては一番しっくりきました。活躍している姿を見るとなぜか元気をもらえる、マイナスなことを考えないでいられる、幸福感を与えてもらえる存在が彼らです。(直接関わることのない推しには、プラスの要素だけを一方的に受け取ることができるからかもしれないです。)もちろん推し以外でも考えられます。稽古の中で発言しましたが、敬愛の対象である家族、友人、先生や先輩など、私の心や頭に存在してくれていることで何かの原動力が生まれていると感じることは多々あるように思います。毎回の稽古で、そんな自分にとってかけがえのない方々のことを考える時間も作ることができたら幸せだなと思います。
ここまで来たら「星めぐりの歌」についてもお話させていただこうかと思います。小田さんに宮沢賢治さんについてお話して頂いて、彼の作品の中で“星”が特別であることを知りました。お恥ずかしながら、宮沢賢治さんの作品をプライベートで読んだことはほとんどありません。これを機に読んでみます。
この曲の歌詞には、「さそり」「わし」「こいぬ」など、まさに星をたどるように星座のモチーフが登場しています。いつか天体観測をして、この曲の星めぐりをしてみたいなあと思いました。よびごえの親睦会に、星を見に行くorプラネタリウムに行くというのはいかがでしょうか??^_^(でなくても、今年もどこかで親睦会できたらいいななんて考えています)
はい、一年半ぶりというのもあり、長々とお話させていただきました。カフェでおしゃべりしているくらいのテンションで書き進めたので、まとまりのない、ラフな部分の多い文章になってしまいましたが、楽しい暇つぶしになっていれば幸いです。
残りの期間、「しあわせ」をたくさん見つけられる稽古にしていきたいです❀ 佐藤七海…
07
June
2026
2026
【2026】よびごえ日誌 vol.5
みなさん、こんばんは。いよいよ、新体制での稽古がスタートしました。7月11日(土)に出演する合唱祭に向けて、今回は、以下2曲に取り組むこととしました。
「あなたのことを」(詩 銀色夏生/曲 上田真樹)
「星めぐりの歌」(詩曲 宮沢賢治/編 三宅悠太)
「あなたのことを」は、メンバーのみなさんの投票によって決定くださり、それを受けて僕の方でもう1曲、「星めぐりの歌」を選びました。この日誌では、「あなたのことを」について、僕なりのアイデアを書いておこうと思います。
*僕の考えが答えではありません。一アイデア程度に読んでもらえると嬉しいです。いつでも大切なのは、自身の考えです。
「あなたのことを」は、とても素直な作品で、詩も音楽もさわやかで優しいというのが、僕の第一印象でした。銀色夏生と上田真樹のコンビは、Nコン課題曲「僕が守る」が有名に思いますが、現代の合唱界において、こうした柔らかい作品を指導できる力は、指導者に求められているように思います。
余談ながら、上田真樹の作品のうちで、触れずにはいられないのは『夢の意味』(詩:林望)でしょう。2007年に発表された当時、とても優しい空間で、ドラマティックで、どこか切なくて、心にゆっくりと浸透してくるようなこの作品を繰り返し聴いていたのを覚えています。その後、男声版の初演に携わった方が学大の先輩にいて、男声版の楽譜を見せてもらって、すごく感動したのも思い出します。上田作品の特徴は、とにかくトップ(ソプラノやテノール)が高く、発声上、美しく歌うことが極めて難しいことです。曲が美しい分、挑戦したいと思ってしまいますが、技術的な難しさが合唱団を選ぶことから、僕はあんまり上田作品を積極的には選べずにいました。「僕が守る」が課題曲として発表された時も、なんて難しい作品だろうと思いました。
そんなこんなで、今回の「あなたのことを」を勉強する機会をみなさんからいただくことができ、本当にありがたい思いです。
この作品は、合唱団の整理された技術も求めていますが、それ以上に、心の豊かさを前提としているように見えます。優しく、柔らかい作品であればあるほど、心のない演奏というのは悪目立ちするもので、この作品の作り方としては、まずこの作品の感触と言いますか、質感を、メンバーの一人ひとりが、たしかに実感することが大事でしょう。次に、それをどうすれば音としてお客さんと共有できるか、という順番で、合唱団の一人ひとりのもつ知識や技能を総動員して、演奏をつくっていくのが良いように思います。
詩の内容は、考えていると気分が良くなったり、力が湧いてきたり、それまで悩んでいたことを忘れてしまうような〈あなた〉のことを考えている、〈わたし〉が主人公です。みなさん自身を〈わたし〉に置き換えたとき、みなさんにとって、〈あなた〉のような存在はいますか?
詩を読むとき、ちょっとしたコツがあるのですが、書かれてある言葉を頭から読んで、イメージを膨らませるのではなく、その詩の言葉が発せられる前段階があることをイメージすると、もう少し、深い読みが可能になります。前回の稽古で話題にしましたが、〈あなた〉のことを考えるとすごく気分が良くなるということについて、〈わたし〉はこの詩のこの場面で驚きとともに初めて気づいたのでしょうか、もしくはもっと前から知っていて、日常の延長線上の言葉だったのでしょうか。こうして問いを立てながら詩を読んでいくと、実は、音楽表現にいきてくることに気づけると思います。〈わたし〉にとって、驚くべき発見であったならば、強弱記号はきっと大きな音量で、発見の喜びが音色に含まれているでしょう。他方、このことは昔から知っていて、日常の一場面のようにこの言葉を発するならば、mpのような、繊細過ぎず、でも大きいわけでもない音量で、それでいてあなたのことを考えている穏やかさが音色に含まれているでしょう。
詩を読むことと、音楽表現を考えることは、決して別々の作業ではなく、右脳と左脳が脳梁でつながっているように、密に関係しあっています。むしろ、そういう詩の読み方ができていないと、もったいないとも言えますね。
〈わたし〉にとって、〈あなた〉のことを考えるとどうして元気が出るのかはよく分かっていないようです。書かれてある以上のことは、解釈の範囲で自由に想像すべきですが、僕個人としては、どうして元気が出るのかについて、〈わたし〉が何も考えていないわけではないと思っていて、考えても考えても、これというスッキリしたものが得られていないような状況なんじゃないかなと思います。みなさんはどう感じますか?
しかし、このスッキリしない状況というのは、〈わたし〉にとってはさほど問題ではなくて、よく分からないけど、元気が出るということだけは事実なんだから、まっいっか、というような〈わたし〉にも読めます。
この次に出てくる言葉は、とても〈わたし〉のキャラクターを表しているように僕は感じます。〈あなた〉のことを思い出しているうちは、弱い考え≒悩みの入る隙がない、というのは、〈わたし〉の発見なんだろうと思います。だから、〈わたし〉は〈あなた〉のことを考えて歩こうとしているんだろうと思います。
上田真樹は、この後にもう一度、詩の冒頭(あなたのことを考えてたよ)を繰り返します。それをテノールソロにしたのは、なんだか、すごくいい気分にさせてくれます。僕のような凡人であればソプラノソロで書いてしまいそうなところ、テノールの優しい音色でこの言葉をもう一度歌い、そのあとにtuttiで展開することで、この言葉の効果をさらに高めたいという意図を感じます。
この曲を歌っている間は、少なくとも〈わたし〉は悩みを忘れていて、〈あなた〉のことを考えることで得られる恩恵を得ているのでしょう。
みなさんが演奏するこの曲の前奏にも、歌いはじめにも、歌い終わりにも、よびごえのメンバー一人ひとりの体の中が、〈わたし〉と〈あなた〉のような温かい感触で満たされていること、そんな音楽を一緒に目指しましょう。それは、みなさんの中で感じているだけの見えない感触に留まるのではなく、そうした感覚があるからこそ、連動してブレスの質や音楽の流れが柔らかくなり、詩にリアルな音色を与えて、お客さんのもとに届いていきます。
最後に、
「温かさ」や「幸せ」という自分なりの感覚を感じることができるのは、だれかが、それを僕にくれたんだろうと考えることがあります。それは、家族かもしれませんし、親友かもしれません、僕のことを愛してくれただれかかもしれませんし、僕が愛したいと思っている人かもしれません。はっきりは分かりませんが、だれかがくれたこの特別な感覚を、僕たち音楽に生きる人間は、音楽に翻訳して、だれかに伝えることができます。
みなさんが先生になったときには、どうか、子どもたちに伝えてくれると嬉しいですし、子どもたちが「温かさ」や「幸せ」を感じてくれるよう、精一杯、愛してあげてほしいなと思います。 小田直弥…
08
August
2025
2025
【2025】よびごえ日誌 vol.3 前期まとめ編
みなさん、こんにちは。前期も終わり、いかがお過ごしでしょうか?前期期間中は天候が不安定だったこともあり、僕も含め、体調を崩されている方が多く、今までになく、稽古でご苦労をおかけしたと振り返っています。そうした中でもお一人お一人が稽古に前向きに取り組んでくださったり、会場確保や開錠・施錠、オンライン時はPCのご準備など、さまざまに運営にご協力をいただいたこと、本当に感謝しています。
今回のよびごえ日誌では、前期の活動を簡単に記録しておきたいと思います。記録が無いと、いつの日かの未来に、この期間中を振り返ることができないので、それは寂しいと思いました。
(後期の活動に向けたメッセージを最後に書いています。)
今年の合唱祭では、信長貴富作曲の「こころよ うたえ」と、ディズニー映画『ヘラクレス』より「Go the Distance」の2曲となりました。1曲はみなさんから、もう1曲は僕が選ばせてもらう、というスタイルでした。
「こころよ うたえ」は、みなさんが選んでくださった作品でした。
僕はいろんな現場で耳にはしていましたが、この曲をきちんと勉強したことがなかったので、良い機会となりました。個人的には、エネルギーをひたすら発散するタイプの作品(とりあえず大きな声を出しておけば良いタイプの作品)は、あまり演奏したいとは思いませんが、この作品については、そうした演奏をいくつか聴いたことがあり、楽譜がそれを要求しているのかな?という先入観のある作品でもありました。
実際、詩と楽譜を見てみると、決して、そんな単純な曲ではなく、むしろものすごく繊細な作品だと思いました。加藤さんが詩の全編を共有してくださり、この詩を感じることができました。感謝です。
詩の全編では、「風、暦、光、街、弱さ、道、仕事、夜、涙、詩」、これらについて語った後、最後に語られるのが〈心〉についてです。規模の大きな詩の最後の〈心〉の部分のみ合唱作品化されたわけなので、もちろん、この作品のことをきちんと勉強しようと思うと、この詩全体から主人公に関する情報を得ることは大切です。
この主人公は、風が知らんぷりをしても自分から風にあいさつをしようとしたり-、人生はつらいことばかりで-、世界は明るくても、自分の中にはほのかに暗い心があって-、弱さは僕が守ってあげる、だけども僕は誰が守ってくれるんだろうと思ってみたり-、夜が空から降りてきてぼくの隣に座ってくれたら、その肩にもたれてみたいと思ったり-、韻律(規則的なもの)があれば避けて通ったり-。誰にでも優しくて、決して陽キャではなくて、誰かに甘えてみたいと思ったり、でもルールには縛られたくない……、この主人公に、僕は共感できるところがあります。みなさんはどうでしょう?
「こころよ うたえ」の歌いだしは、いきなり、「こころよ」という言葉が2回繰り返され、「だから こころよ せめて うたえ」と始まります。楽譜だけを見ていると、「だから」という言葉の意図が不鮮明で(何に対しての「だから」なのか分からない)、「せめて」という言葉も同様です。そうしたこともあり、稽古では、この曲の理解を深めるために、2つの問いを投げてみました。
1.なぜ前置きが無い中でいきなり「だから こころよ」と始まるのか なぜ心に対して「せめて歌え」なのか
*楽譜にフォルテと書いているから大きな声を出せばいい、という演奏(思考)から抜け出したい
2.「ぼく」はなぜ「思いっきり肯定的な歌を聴きたい」のか
*肯定的な歌を聴きたいという箇所のエネルギーが再現部を誘っているため、ここの解像度を高くしたい
みなさんに考えてもらった内容は、次の通りでしたね。
1.
「だから」は一般的には前置きを踏まえて使う言葉なのに、今回は前置きが無い。
>歌いだしの前に、詩には描かれていない、〈なにか〉があった説
>僕は哀しく、切なく、肯定的な歌を聴きたい「から」、歌ってほしい
「せめて」は、歌うという行為にかかっているのか、心という対象にかかっているのか。
>たぶん、歌う行為にかかっているのではないか?
心にある複雑さや空虚、震え、繰り返しは「消えてしまう」 ➡ 「だから」「せめて」歌え
上手く言い表せないけど、たしかに在る、というのが心なんじゃないか
2.
「ぼく」にとって、なにか大きな出来事があって、打ちひしがれている状況で、いまこういう状況だけど肯定的な歌を聴きたい、ということなのでは?
「ぼく」はいま、哀しく、切ない状況
明るかったり、元気にしてくれる、いまの自分を変えてくれる歌ではなくて、「いまの自分のままでいい」と言ってくれる歌が聴きたいのでは?…
23
May
2025
2025
【2025】よびごえ日誌 vol.2
2年B類加藤優奈です。2回の新歓稽古を経て、今年度のよびごえの活動が始まりました!新しいメンバーで音楽ができること、ワクワクしています。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
私のiPadには「よびごえ語録」なるものがあります。2024年6月28日からつけ始めました。よびごえは合唱団というよりゼミ(もはや授業)のような側面があるなと勝手に思っているのですが、小田さんのご指導でのキーワードや、発声練習・意見交換・振り返り等でのメンバーの皆さんの文言をもメモするようにしています。時間をおいて見返すと、自分の中に刻まれている言葉やこれから詳しく勉強したい理論などが整理され、よびごえでの学びがより一層充実したものになっています。余談ですが、「声楽D先生語録」「ソルフェK先生語録」「和声&作曲Y先生語録」なんかもあります。本当に素晴らしい先生方に恵まれているなと思う毎日です。
以下本日の「よびごえ語録」より抜粋です。
【こころようたえ】
・2拍目と4拍目の捉え方 2→3、4→1に行くときのエネルギー 現象としてはcresc. ex) 冒頭 ここ「ろ」よ、だ「か」ら 四分音符や付点四分音符に対して八分音符を抜かない
・子音
「散文的な日々…」 特にsとh 聞こえにくいので正拍より前に。裏拍の子音は特に。ex)28 アルト「き」えてしまう
・語頭アクセント
弱起と正拍との対比 ここを見失うと整理されていない音楽になる…いい意味で器楽的な作品のため。
ex)空虚、繰り返しを 64以降「う」たえこころよ
・46 男声の三連符(二拍三連) かなりはっきりと。リズムの錯綜と和声の変化によって音楽の盛り上がりをつくって49(Grandioso)へ。作曲者は四分音符とのズレを聴かせたかったのでは。
・フレーズの始まりから終わりまでsempre crescendo。 △ピアノ ◎弦楽器
【Go the Distance】
・アメリカ英語特有の発音、リエゾン ※詳細は省略
・14 アウフタクト 「I’ll be there」 アルトC、男声B…
17
August
2023
2023
【2023】よびごえ日誌 vol.5 合唱祭を終えて
今年度から合唱団よひごえに入団しました、B類音楽1年の室伏萌衣です。 これからよろしくお願い致します。初めてのよびごえ日誌では入団してから合唱祭を通しての感想、それ以降で感じたことも含めて自分の考えを書かせていただきます。 (合唱祭以外のことも含めますが、未来の自分への日記、との事だったのでご容赦ください)少しわたし自身のことをお話ししますと、よびごえとの出会いは高2の冬、志望校を決めたあたりだったと思います。大学でも合唱を続けたかったので、大学の合唱団を調べていた時によびごえの存在を知り、演奏を聴いたり、日誌でみなさんの活動や考えを知ったりしました。高校から始めた合唱の恩師から、頭を使って音楽をすることを叩き込まれていたので、「ここだったら自分のやりたい合唱、考え方をより身につけることができる!」と確信しました。それから、よびごえをモチベーションにしつつ受験を乗り越え入団に至りました。
入団した今、上記のことをとても感じています。 小田さんの指導、そしてよびごえのみなさんとの活動は自分の中でとても大きな存在です。
合唱祭では、三善晃「かめ」と木下牧子「さびしいカシの木」を扱いました。特に三善晃の曲は今回が初めてで、苦手意識を持っていた反面、ようやく触れることができるワクワク感でいっぱいでした。個人的に和音をはめながら歌うという概念があまりなかったので、自分のパートと8・5・4度の音程の部分に印をつけたことや、3度の音の場合はそこまで音量出さなくてよいということが大変勉強になりました。(恥ずかしながら3度は長調短調決める音だから大きい方がよいと勝手に思っていました…)
よびごえで特に感じるのは、曲に対する想像力がみなさん流石…ということです。毎回みなさんの意見を聞き感動していました。 よりよい音楽をつくるには想像力がとても大切だなと最近感じます。(型にはまった音楽はぬるいというか、、小田さんが以前おっしゃっていた、いつでも新鮮な歌を歌わなければならない、ということにも通ずると思います)このようなことができる合唱団は限られていると思うので本当に楽しかったです。これからも色々な意見を聞くのが楽しみです!
本番はそこまで緊張することなく音楽を感じながら歌うことが出来ました。しかし、ホールが思ったよりも響き、どうしても男声側の声がより遅れて聴こえてしまったので戸惑いが生まれたのが心残りです。自分のテンポを保つ事の大切さを痛感しました。また、講評の先生の言葉の中にもあった、2つの曲の「さびしさ」という”共通点”がわたしの中で薄れていたのも反省です。それぞれの曲のメッセージ性の情報で自分の頭は溢れてしまっていました。この2曲を一緒に歌う意味までもっと考えるべきだったと感じます。これからに活かしていきます。
課題はありますが、合唱祭を通してそれぞれの合唱団の色を体感し「合唱っていいなぁ」と再認識する1日となりました。みなさんと同じ時間を共有することができてよかったです。
話が変わりますが、母校の部活指導に行ったとき、印象に残ったことがあったのでお話しします。
アドバイスの中で「息のスピードを速めてみよう」と伝えたときに一部の生徒に意味が伝わらず困らせてしまいました。どうしても、合唱に親しい人だとアドバイスを伝えたときに、体をどんな風に動かせばいいか感覚でわかってしまう、曲にどんな印象を与えるか伝わってしまうものです。合唱に触れたばかりの人にも分かりやすい言葉・指導ってなんだろう、と考えさせられる場面でした。 言葉の拙さの改善と、言葉以外でのアプローチ(指揮で導く等…現時点ではまだ夢のまた夢ですが)も行えるようにしていきたいと感じました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。これからよびごえでたくさん学ばせていただきます!(そしてもっと上手く自分の考えをまとめられるように4年間言語化頑張ります!) 室伏萌衣…
03
August
2023
2023
【2023】よびごえ日誌 vol.4 合唱祭を終えて
はじめまして!今年度から合唱団よびごえに入団致しました、A類音楽1年の小林翔人と申します。合唱祭という初めての本番を終え、今回初めてよびごえ日誌を書かせていただくことになりました。拙い文章になってしまうと思いますが、長い文章にはならないようにしますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです。筆者がよびごえの活動に初めて参加したのは1回目の新歓稽古の日でした。新一年生で参加していたのは僕一人でしたが、僕が今こうして団員になっているのはその日の活動でよびごえという合唱団に強く惹かれたからにほかなりません。よびごえの先輩方は皆さん本当に優しくて、真摯に合唱に向き合っていて、僕もこんな風になっていきたいと素直に思いました。そしていつもよびごえの合唱を一緒に創ってくださる小田さんとの出会いも、よびごえに入る大きなきっかけになりました(この文章の提出先が誰あろう小田さんなので、最初に読まれることになることを思うと少し恥ずかしいような気もしますが)。よびごえの稽古ならではの小田さんの指導は、僕の合唱観をより豊かにしてくださっています。今改めて、あの日新歓稽古に飛び入り参加した自分を褒めてあげたいです。
さて、冒頭でも少し触れましたが、合唱団よびごえは7月17日に 第78回 東京都合唱祭 に出演しました。僕にとってはよびごえとして参加する初めての本番でした。僕は中・高と吹奏楽部に所属していたので、誰かの前で合唱の発表をした経験といえば学校単位で行われる合唱コンクールくらいしかありません。緊張というよりは、楽しみな気持ちで臨みました。
テノールとして合唱を創る一員となる上で、本番までの稽古で様々なことを考え、試行錯誤を繰り返しました。そんな中で、僕が特に強く意識するようにしたことが2つあります。
1つ目は「念ずれば通ず、は合唱では通じない」ということです。これは新歓稽古の時に小田さんがおっしゃっていた言葉でした。つまり「感情任せで歌うのではなく、楽曲で表現したい情景や感情をどんな技術を使って観客に届けるかを考えて歌わないと、歌を通して伝えたいことも伝わらない」ということですが、これは本番までの稽古を通してよびごえが追求してきた課題の1つです。「かめ」であれば発音やパート間の音量バランス、小学生の男の子が詩に込めた想いをどう歌に乗せるかを考えました。「さびしいカシの木」であれば1番と2番の歌い方の変化、その変化を踏まえた3番の歌い方など、「時間経過」をキーポイントに合唱を創っていきました。
2つ目は「合唱の中での自分の歌のバランスを考える」ことです。非常に個人的な話にはなってしまうのですが、僕は今回テノールパートを1人で担当させていただきました。本当にありがたい機会です。他のパートが複数人いる中で自分の歌がどう聴こえているのか、大きく鳴りすぎていないか、聴こえてほしいところは聴こえているか、練習後に録音を聴いてバランスを確認しました。合唱学習のまさに真っ只中にいる僕にとって、本当に貴重な経験でした。
本番、よびごえの合唱がどんな風にお客様に聴こえていたか知ることは今の僕たちにはできません(それが音楽の面白いところであると同時に恐ろしいところでもあると思います)が、少しでも伝えたかったことが伝わる合唱になっていたらいいなと思います。
この合唱祭が終わった後感じたことは「やっぱり合唱って楽しい!!」でした。稽古を重ねてきたよびごえの合唱を多くのお客様に聴いていただけたことはもちろん、他団体の素晴らしい合唱をたくさん聴けたという点でも楽しい時間でした。よびごえの一団員として活動していくこれからの自分にとって、今回合唱祭に出演したことが大切な経験になったのは間違いありません。よびごえの皆さん、小田さん、合唱祭を運営してくださった皆様、そして聴いてくださったお客様に、改めて感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございました。
「長い文章にはならないようにしますので」などと筆者は書いていましたが、もうここまでで1600字を超える文章になってしまいました。初めてのよびごえ日誌なのでどうかご容赦ください。予告通り拙い文章だったと思いますが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございます。
これからもよびごえの一員として精一杯頑張ります。今後とも何卒よろしくお願いいたします。 小林翔人…
03
August
2023
2023
【2023】よびごえ日誌 vol.3 合唱祭を終えて
はじめまして!1年B類音楽の井藤一輝です。今年度から合唱団よびごえに入団しました!精一杯活動に取り組んでいくので、どうぞよろしくお願いします!今回は初めての日誌となるので、よびごえの活動に対する自分の思いや、入団して初となる合唱祭の感想などを書いていこうと思います。
さっそくですが、私がよびごえに入団した経緯から話そうと思います。私が通っていた高校は合唱コンクールがなく、またコロナの影響もあったことから、私は高校で合唱を一度も経験しませんでした。だからこそ、大学では合唱もやりたい!と思っていたので、同じ音楽コースの子によびごえの新歓稽古に誘われた時はすぐに参加を決めました。
新歓稽古では相澤直人先生の「ぜんぶ」を歌い、特に「詩の繰り返しをどのように表現を変えて歌うか」について考えました。話し合いの際、私は主に曲の元となっている詩から意見を述べました。「ぜんぶここにある」の言葉だけが何度も歌詞に出てきていて、繰り返されるたびに強い思いが加わっているように感じました。他にも、一度目は他者に、繰り返しは自分自身に言っているという意見や広さ・深みが違っているという感じ方など、多くの異なるイメージを知ることができました。今まで詩から曲を考えることがなかったので、とても楽しい経験となり、歌えば歌うほど、考えれば考えるほどいろいろな思いが溢れてきました。
新歓稽古という短い時間の中でも学ぶことが多く、合唱そのものだけでなく自分が教える立場になった時に活かせる経験を多く積める、何よりよびごえの活動が楽しい!と思ったことから入団を即決させていただきました。(大野さんへの入団の連絡は少し遅くなりましたが…)
入団して間もなくよびごえ新体制の初舞台となる合唱祭に向けた稽古が始まり、「かめ」と「さびしいカシの木」を歌うことになりました。私はどちらも初めて聴く曲でした。2曲とも、『子ども観』をどう表現して歌うか、がとても大事になり、毎週の稽古でとても悩まされる議題となっていたと思っています。「かめ」はアカペラの曲なので各パート入りを合わせるタイミングがとても難しいなと感じていました。稽古が進んでいくに連れて詩の解釈も行い、どの部分をどう歌いたいかを話し合った後に初めて息がピッタリと合う合唱ができたと思います。自分はこう歌いたい、ということを言語化することで初めて、お互いにどの表現が歌詞に合っているかを考えられると改めて気付かされました。また、「かめ」の稽古で私がとても驚いたことが、初めて全パート一緒に歌う時、小田さんが「自分のパートを正確に、自己中心的に歌って」と言ったことです。聞いた時は、自分のパートだけ真剣に歌っていても他パートを聴けなければきれいな響きが作れないのでは、と混乱しました。けれど考えてみれば、いきなり他パートの音と一緒に歌うと自分の音やリズムがズレてしまう、といった問題は中学の合唱練習でも感じていたことで、「他パートが入っても、まずは自分のパートに集中して歌うことを意識する」という小田さんの言葉にとても納得がいきました。
「さびしいカシの木」は、1番2番3番(特に1・2番)をどのような変化をつけるかにたくさん話し合いの時間をとりました。また、日本語特有の鼻濁音や子音、特に重要な言葉の最初に多いkの子音を大事に発音することも注意ポイントとして学びました。自分がこの曲でこだわってみた場所は、3番のBassの入りと、その後の全パート共に入る「いまではとてもとしをとり」のところです。Bassの入りはとても暖かく声を出すことを意識しました。始めはうまく音が続きませんでしたが、小田さんや同じパートのアドバイス「胸を開放して、息を広げる感じ」を参考に暖かい声の出し方を考え、表現できたと思います。その後の各パートが同じ歌詞に合流するところは、1小節前のBassの音の流れをたっぷりと歌いたかったため、稽古で指摘をさせていただきました。少し自己満かなぁとも思いましたが、自分はとてもなめらかに歌いやすくなり、反対の声もなかったので同じような意図を持ってくれたのかな、と思ってます(笑)。
そして迎えた、よびごえとしての初の舞台であり、今までの稽古で学んだことに加えて、何を自分たちは届けたいかを一人ひとりが考えて臨んだ合唱祭!
私が合唱祭で感じたことはたくさんありましたが、大きくまとめれば、「やはり音楽って素晴らしい!!」ということです。多くの合唱団が各々の曲に向き合い、表現して合唱を作っている。各合唱団の歌からそれがひしひしと伝わってきて、とても幸せな時間が過ごせました♪
私自身も、ステージでの合唱はとても気持ちよく歌えて、歌い終えた時に充足感を感じました。よびごえが2曲に込めた思いが、聴いてくれた人々に伝えられたのではないかと思っています。しかしまだよびごえは新体制になったばかり、講評の内容や自分で練習通りに行かなかったことも含めて、さらに良い合唱が作れるようにこれからも精進していきたいと思います!
🎵最後に一言🎶
小田さんが最後の稽古でおっしゃった「合唱の意味」を、これからの稽古で考えていきたいと思います。私が小田さんの言葉を聞いた時にパッと出たのは、「それぞれの感じ方を共有し、1つの曲を表現していくことの大切さ、楽しさを伝える」といった意見ですが、おそらく小田さんの問いはもっと深いもの、またはもっと単純なものなんじゃないのかな〜と勝手ながら思ってます。自分が教える側に立ち、指導する際に大切なことも、これからの活動で吸収していけたらと思います!
気づいたらこんなにも長くなってしまっていたので、この辺で書き終えたいと思います。
改めてみなさん、合唱祭お疲れ様でした!また共に頑張って行きましょう! 井藤一輝…
12
May
2023
2023
【2023】よびごえ日誌 vol.2
みなさん、こんにちは。小田です。新体制最初の稽古を終えました。この日誌では、初回稽古に関する内容と、全よびごえメンバーへのメッセージを書きたいと思います。
新体制初の本番は、東京都合唱祭を予定しています。演奏曲は、以下2曲を小田の方で選びました。
『小さな目』より 「かめ」
詩:大しま あきひこ
曲:三善 晃
『木下牧子アカペラ・コーラス・セレクション』より 「さびしいカシの木」
詩:やなせ たかし
曲:木下 牧子
よびごえのメンバー1人1人が作品と向き合い、仲間と向き合い、自分と向き合い、ともに演奏を創っていけるような可能性をもった作品であること、そして、本番当日、演奏を聴いてくださる方1人1人とも「なにか」を共有できる作品であることを念頭に置いて、今回はこの2曲の組み合わせとしました。
初回稽古は、「かめさんデー」とし、「かめ」のみの稽古を行いました。時間の内訳は以下の通りです。
① 18:50頃~19:05 発声
② 19:05~19:20 「かめ」音の確認(女声と男声との2つに分かれて実施)
③ 19:20~19:50 「かめ」全体練習
④ 19:50~20:00 混声合唱曲『小さな目』について
⑤ 20:00~20:15 振り返り
①~⑤のうち、③、④について書いていきます。
③ 「かめ」全体練習
直前のパート練では、女声・男声の2つに分かれて実施したことから、全体練でも同様に、まずは女声、次に男声の歌い方の確認を行いました。(小節番号で示しますので、みなさんも次回稽古までに小節番号を振ってみてください。パート練でも役に立つと思います。)
-女声-
・1小節目「か」の発音について、「k」に力を入れすぎないこと。
「k」の子音は、
1.舌の奥と軟口蓋がくっついた状態から…
02
October
2022
2022
【2022】よびごえ日誌 合唱祭辞退と夏休みインライ編📷
今年度、よびごえの夏休みの活動は、1.2年生チームと、3年生チームに分かれて実施しました。今年度の夏休みの活動の背景には、よびごえ結成以降、途絶えることなく出場していた東京都合唱祭への出場ができなくなったことがあります。今年もたくさんの新しいメンバーがよびごえの活動に加わってくださり、団としても声が新しくなったので、合唱祭では自分たちで合唱を創る活動を楽しめる曲、これからの合唱活動の基盤となる「音楽」を考えられるような曲と願いを込めて、King Gnuの「白日」の合唱編曲版、K. Bikkembergs作曲の「Salve Regina」を演奏予定でした。
白日とSalve Reginaと聞くと、「え、ほぼ真逆の曲やん」と思われるかもしれません。その通りです。
でも、実はこの2曲、いずれも混声3部合唱の作品であるからこそ選んだという理由もあります。
音楽作品の類似もしくは相違を見ようとするとき、例えばポップスや宗教曲といった「ジャンル」の視点や、混声3部合唱や同声2部合唱など「編成」という視点からも見ることができます。今回の2曲はジャンルという視点から見たときには相違が認められますが、編成という別の視点からみると類似が認められるという位置にあります。今回の2作品は、この2作品の組み合わせだからこそこうした複雑さをもつわけで、「え、ほぼ真逆の曲やん」と最初に思った方がいれば、合唱祭の本番が終わるころには「あ~この2曲はたしかにこういう視点から見ると全然違うけど、こういう視点から見てると似てるよね~」と、作品間の複雑性を実感をベースに当たり前に語れるように変化してくれたら、それは俗に「成長」という言葉に当てはめてもよいのかな、と思っていました。
もちろん、そんな概念的なことを学びと限定せずとも、ポップスを合唱として演奏することの難しさを肌で感じ、どうすれば解決できるのかという解決学習の意図もありました。音楽の仕上げ方という意味では普通の合唱作品のように詩からのアプローチではなく、音そのものの「ノリ」(みなさんの口からもたくさん出てきましたね)やビート感など、そういった方法でのアプローチも有効であることを共有できました(音楽言語からのアプローチ)。一方で宗教作品を扱うときには、やはり言葉の壁はあると思いますが、今日の主流な合唱指導のスタイルである詩からのアプローチを共に学ぶ時間にできたように思います。単語のアクセントや単語と単語がつながるときはどの言葉が大事なのかという、単語のもつアクセントと、文章としてのアクセントの違いから音楽をつくっていけるというアプローチも行いましたし、言葉の意味論からせめる場合は、やはりキリスト教に視点を向け、その世界を前提として、マリアとはどういった存在なのか、そういったマリアに対し私(作品の中での私)はどう思っているのか、ではそういう思いはどういう声で歌われるべきなのか、では具体的な歌唱としてはどういう技を使って歌うのか(ここにフォルテやピアノ、暗い声、明るい声が位置づいてきますね)、というふうに進めていくことができました。このアプローチの根幹は、指導者主導ではなく、指導者はファシリテーターになっているというところにあると思います。僕からは情報と問いを投げかけ、実際にマリアがどういった存在なのか、作品中の私であればマリアに対しどういう感情を感じるのか、それはみなさんに委ねました。
そんな音楽言語的アプローチや詩からのアプローチなど学びの仕掛けを準備していたということと、みなさんもきっと、稽古の中でたくさんのことを感じ、考えてくれたこの2曲を合唱祭で発表できなかったことに残念な思いもあったと思います。一方で、しょうがないことでくよくよしても前には進めないので、みなさんで挽回の機を考えてもらった結果、1.2年生から出てきたアイデアが「インスタライヴ」(インライ)でした。
よびごえ初のインライは、以下にて開催予定です。
ちなみに明日のインライの曲はすべて混声3部です(1.2年生の作戦だったのでしょうか?)。編成としてはすべて同じ。だけどもジャンルも違えば、作品に与えられたテーマも違う。教育目的で書かれた作品とそうでない作品など、様々な視点を感じさせる曲たちから、演奏とナレーション(司会)を通してどれだけの合唱の広がりをお客さんと共有できるのか。僕も、みなさんのインライから合唱を楽しみたいと思います。
全力での真剣勝負、よい本番になりますように願っています。
Instagram Live!!
👉 yobigoe_tgu_chorus
👉 10月3日(月) 19時 スタート
👉 君とみた海(若松歓作詞作曲)
白日(常田大希作詞作曲、田中和音編曲)
With You Smile(水本誠作詞作曲、水本英美作詞、富澤裕作曲)
Salve Regina(K. Bikkembergs作曲)
虹(森山直太朗/御徒町凧作詞作曲、信長貴富編曲)
(司会の音量チェック中)
3年生の夏休みの活動は、勉強会を開催し、3年生は3年生での合唱を行っていました。
僕が忙しさを理由によびごえ日誌を更新できていないという怠慢でしかないのですが、時間を見つけてアップしますので、3年生の皆さん、ご容赦ください…。 小田直弥…
07
July
2022
2022
【2022】よびごえ日誌 vol.9
はじめまして!1年A類音楽の新喜真由音です。今年度からよびごえに新しく入団しました!今回初めてのよびごえ日誌を書かさせていただきます。これからよびごえの一員として恥じないように活動していきたいと思いますのでよろしくお願いします!今回は7/18の合唱祭へ向けて発声→全体稽古→通し稽古→パート練の流れで練習しました。
発声では、まずブレスを使って歌っている時に重心を下に保つことが大切だということを確かめました。その後、音程と母音を付けた発声をしました。その際、低い音は意識しなくても重心がしっかりしていますが、高音になるにつれて音とともに意識も上の方に向かってしまう傾向があります。なので高い音ほど重心を感じる必要があるのだと改めて気づきました。常に上半身だけでなく全身を意識して歌いたいと思います。
白日では、初めの女声二部の部分でほとんどの印象が決まってしまうということについて考えさせられました。小田さんに、はじめを大切に愛情を持って歌う、と指摘していただきました。しかしその後に歌ってみると、真面目で原曲のよさが少し失われてしまったという話がありました。私は専攻のピアノでも、「真面目すぎるからもう少し遊び心が欲しい」と言われることがあり、その度に遊び心とは…?と悩まされます。今までにいろいろなことを考えましたが、今回の活動で思ったことは、”リズムや強弱を工夫して面白いものを作ろうとする”だけでは聴いてる人には伝わるものは少ないのだろうということです。自分たちが心からその曲を楽しむ気持ちや「こう歌いたい」という意志の強さなども演奏には大切な要素なのだと感じました。しかし、これはリズムや強弱と違って非常に抽象的なことなので、どうしたら形にできるのかより学んでいきたいと思いました。
Salve Reginaでは、先週に引き続きフレーズごとの音色の変化について考えました。パート練習の時、先輩方が「音色の変化といっても明るいと暗い以外に何があるのだろう」と話されてました。私はその時全然思いつきませんでしたが、やはりこれも感情的な部分が大きくなってくるのかなと感じました。まだ考えはまとまらなかったので、本番まで残り少ないですが深めていけたらと思います。
よびごえに入団して1,2カ月ほど経ちましたが、議論についての自分の考えの浅さや頭の硬さを痛感しています。もっと積極的に音楽を創り上げていきたいので頑張ります!
次のよびごえ日誌は3Bの藤原改さんにお願いしました。よろしくお願いします🙇♀ 新喜真由音…
30
June
2022
2022
【2022】よびごえ日誌 vol.8
こんにちは!3年アルトの原田綾乃です。今日は、体操と発声のあと、Salve Reginaと白日の全体稽古を経て本番を想定した通し稽古を行い、最後にパートで気になったところの確認を行いました。今日の発声では、体操で無理のない立ち方を確認したあと、決められた拍で息を吐ききるブレスの練習をしました。白日のようなポップスを扱うとこのような基本的なところが崩れてしまうこともあると思うので、丁寧に確認できてよかったです。次にやったハミング→曖昧な母音→母音という流れで響きの位置を確認する練習では、ハミングから母音への間に一つ入れるだけで、ハミングの鼻腔内共鳴の感覚を母音のときも意識できていいな、と思いました。個人的に、普段の練習で発声練習を充実させることができていないと感じているので、本番前だからこそ、個人で練習するときも、発声にもこだわって練習したいと思いました!
その後の全体稽古では通し稽古に向けて2曲の確認を行いました。
Salve Reginaでは、歌詞の意味に応じて音色を変えるという話がありました。これまでのよびごえの活動でも行ってきたことですが、朗読が先にあって曲が生まれた、という背景を持つ宗教曲ではより一層音色の変化に意味を持たせることが重要なのではないかと感じます。歌詞を読みこんで、自分なりの表現を考えたいです。
白日では、音程のことやテンポのことなどの確認とともに、徐々に白日のモードに入るのではなく、切り替えることに気を付けました。今年の合唱祭に向けての稽古では、合唱としてポップスを扱うことについて、発声のことやビート感の出し方の工夫、ポップスと合唱のよさを出せる演奏を目指して試行錯誤しています。私は本番になるとどうしても「成功させなければ」と保守的な演奏をしてしまうので、自分で考えた表現を客席まで届ける意識をしっかり持って、本番まで面白い白日を研究したいです!
また、通し稽古は本番独特の緊張感を感じられるのと同時に、自分の中に定着していない部分がわかるなあ、と思いました。抜き出して歌えばできるものも、通すとうまくいかないということがよくあるので、本番を見据えて、常にできる定着した表現を増やしていきたいと思います。
今日の写真は、なつみちゃんお誕生日おめでとう〜ショットです!
素敵な一年になりますように!
次回は1Aの新喜さんにお願いしました!お楽しみに!
原田綾乃…
16
June
2022
2022
【2022】よびごえ日誌 vol.7
1番初めは「Salve Regina」を行いました。まずはキリスト教についてのお話から。キリスト教の曲は、キリスト教についてしっかり理解した上で歌うことが大切で、木下牧子さんの曲を歌う時と同じように歌うと違うものになってしまう、ということを学びました。
その後歌詞の意味を確認しました。例えば冒頭では「ごきけんよう、お妃様」という意味になるので、元気よく「ごきげんよう〜!」と歌うのではなく、厳かに歌う、といったように歌詞からの表現を確認しました。
次に言葉のアクセントとフレーズについて。
日本語で考えると、「おはようございます」という言葉は、もともと「おはよう」と「ございます」の2語で、その二つの言葉と言葉がくっつく統語的エネルギーが発生することで、「おはようございます」という一つの言葉になります。この理論で考えると、Salveとreginaは二つの言葉なのでアクセントはそれぞれ2つですが、統合的エネルギーが発生することで「Salve Regina」と一つになります。つまりSalveと言い始めた時はreginaに向かってエネルギーが発生し、アクセントを持っていくことになります。このように言葉についてじっくり考え、アクセントに向かって一音ずつクレッシェンドをかけるなどして歌い方を工夫していきました。
以上のように、言葉の意味とアクセントから歌い方について考えることをするのは私自身初めてで、曲が全く違うものに聴こえるくらい変化が感じられてとても興味深かったです。さらにはっきりとした変化を付けられるようにしていきたいと思いました。
次に「白日」です。伴奏と合わせて練習しました🎹
一回通した後小田さんから、「もっと面白い演奏にするにはどうしたら良いか」という問いを頂き、それぞれ個人で考えた後もう一度歌いました。サビのところで少し地声っぽく歌うことや、拍を細かく縦にとることなどの意見が出ました。
小田さんが、この「白日」を本番の合唱祭で歌った後、「やっぱり声楽を勉強している人たちだから綺麗、上手だね」と言われたらそれはこの曲をやった意図とは違うよね、とおっしゃっていて、これからの練習でもつねに「面白い演奏」について考えていきたいと思いました。 槇佳絵子…
02
June
2022
2022
【2022】よびごえ日誌 vol.6
発声→サルヴェレジーナ→白日💫サルヴェレジーナ
発音の確認
音楽と宗教について
・科学的ではないこと、説明できないことに理由をつける。
→安心、平和を見出そうとする。より平和に。
・「いただきます」、「ごちそうさまでした」など、日本は宗教を文化的なものとして扱っている。
・キリスト教について
キリストはパワーマン、超人的。自分達とは違うすごいひと。
この世界を変えたのは、キリスト自身か、キリストを生んだマグダラのマリアか。
宗教に関わる音楽に触れるときには、文化的背景をより理解することで曲への理解がより深まる。
💫白日
前回までは…「再現的に歌うか、二次創作的に歌うか」
・パートごとに工夫して歌う。
→前回よりも変化があった!
・一番盛り上がるところは?
→「L」だ!音量を大きくする?子音を立てる?
・休符の扱い方
・工夫した部分が言葉なしに伝わるように。
→授業では工夫したところを言語化して共有できるが、演奏会ではそれはできない。
個人的な感想
今回の活動で印象的だったことが2つあります。
まず1つ目は、「工夫した場所が言葉なしに伝わるように」というお話です。実際の本番ではここをこうして頑張った!ということは聞いて頂く方々に言葉でお伝えすることができないので、演奏でお伝えするしかありません。その中で私たちが伝えたい表現や音楽はどれくらい伝わるのだろうか…と思いました。また、音楽の目的についても考えました。私はあまり人前で演奏することが好きではなく、自分のために音楽をしている、という感覚で日々演奏しています。しかし、演奏会や試験となると自分のために演奏しているだけでは足りず、何か相手に伝える、という目的が生まれるような気がします。聞き手に伝わる演奏は気持ちの面でも技術的な面でも難しいな、と考えさせられました。
2つ目は曲と曲との切り替えについてです。これについては振り返りの際に多くの方が話されていましたが、私は曲と曲との切り替えに全く抵抗を感じませんでした。なので、切り替えが大変、とお話しされているのを聞いてかなり驚きました。それだけ一つ一つの曲に集中力を持って、こだわりを持って、演奏しているということなのかなと思い、素敵だと感じました。また、ひとつ前の話と通ずることではありますが、歌い手が抵抗を感じるなら、聞き手も同じなのではないかと考えました。曲間の雰囲気や表情、2曲目の曲の始まりなどを工夫して、歌い手も聞き手もみんなが2曲目に入り込むことができるようにしたいなと感じました。 土橋咲良…
19
May
2022
2022
【2022】よびごえ日誌 vol.5
今回のよびごえ日誌は、A類2年の稲村歌乃が担当します。5月19日は、合唱祭に向けた第一回目の稽古でした。合唱祭で歌う曲は、「白日」(詩、曲:常田大希)と「Salve Regina」(曲:K. Bikkembergs)です。J-popと宗教的な作品を並べて歌うことになるなんて、誰が予想したでしょうか。私も稽古が始まる前から、変だな~とわくわくしていました。
今回の稽古は白日の音取りが主で、その後にざっと合わせました。音取りではリズムに詰まっている言葉の多さに苦労する場面も。歌詞カードを見てみても、こんなにしゃべっているのだと驚いてしまいました。本番のホールで、言葉や表現をお客様に伝えられるようにはどうしたらよいのか。今回の宿題は、J-popを合唱として歌うときに、どのような発声で歌いたいのかというものです。次の稽古でみんなが持ってくるアイデアが楽しみです。私もたくさん考えます。
今日、特に変わったことといえば、団員が増えたこと(うれしいです…よろしくお願いします)と、4人も見学者の方々がいらしてくださったことでした(これまたうれしい…)。しかも、今日来てくださった見学者の3人は入団してくれるそうです。(‼)これで2年生の同期が全員で7人になりました。(わーい。)
新しいよびごえになってかわったところもあれば、変わらないところもあり、、これからのよびごえで出会える合唱作品、音楽が楽しみでなりません。
次回は、3Aの原田綾乃さんです。お楽しみに! 稲村歌乃…
23
August
2021
2021
【2021】よびごえ日誌 合唱祭の振り返り
とっても時間が経ちましたが、よびごえメンバーより、合唱祭の演奏に関する感想と、前期の練習の運営について振り返りが欲しいとのことだったので、記録としてよびごえ日誌に綴ることとします。まず、何度も言いますが、こうした状況下において、新入生と共に、みなさん自身の力で舞台に立ち、拍手をもらえたことはとても素晴らしいことだと感じています。運営に注力してくれた2,3年生にはとても感謝しています。本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。
【演奏について】
合唱における演奏の良し悪しは、音程や和音、発音、複数の声部による有機的な音楽構成(解釈や空間づくり)といった「技術的な視点」だけでなく、パートや団としての声のまとまり、発声、選曲といった「個性が影響する視点」、さらに抽象化すると、気迫といった「雰囲気のようなもの」まで、いくつかの層が複雑に絡み合って決まってくるように思います。
それらを見渡したうえでも、総合的には、質の高い演奏だったと思います。それは、技術、個性、雰囲気を一定以上のクオリティで提供できていたこともありますし、それぞれの視点がよく練られている演奏だったとも言えます。
今後に向けた視点として、大きく2つの反省をしたいと思います。
1つ目は、マスクの壁を超えること。
講評でもいただいておりましたが、マスクをしていたとしても会場で言葉がはっきりと聞き取れるよう、もう少し調整をすべきだったように思います。特に、柔らかい音楽の場面(音量が小さく、レガート気味の場面)において、閉口母音(i, u, e)の子音は、開口母音(a, o)よりも注意をすべきでした。例:”く”じら。 一方で、例えば、くじらの優しい感じを出そうとするために子音をソフトにするという判断は間違っていなかったと思いますので、ホールの奥の客席に坐っていて、ちょうどよいくらいの量感の子音であるためには…、と考えたときには、個人的にはあと少し強く、もしくはあと少し意識をして発音すべきだったということです。
次に音量です。講評では、ホールの大きさと合唱団の人数に対して、立ち位置はベストの選択だったという声もいただきましたが、個人的には、みなさんの最大音量がしっかり出せていたのかが気になりました。合唱団よびごえの演奏としての魅力は、①作品解釈の深さと、②一人ひとりの思いの深さと、③少人数とは思えない音量の3点がすぐに思い浮かびます。マスクの影響は大きいと思いますが、マスクをつけていたとしても、音量の壁を超えれると思いました。ちなみに、合唱の場合、一人一人の声量が大きいだけでは、全体の音量は大きくなりづらいです。各パート内の音が良い感じで混ざり合い、さらに複数のパートが和音(倍音)の力を借りることで、初めて人数以上の迫力が成立します。今回は和音のはまり方は悪くなかったと思いますので、声量の意識がもう少し欲しかった、という反省と言えます。
2つ目は、力学を楽しむこと。
よびごえとしては指揮者がいない初めての本番だったと思いますが(実は過去にも1回あったのですが、ただその時はピアノ伴奏がありました)、その割にはよく縦があっていた、という一定数の評価もある一方で、僕からすると、アンサンブルとしてはもう少しやれたのでは?と思っています。それは縦が合っていなかったということではなく、「私はこのテンポで歌いたいけど、そっちがそのテンポでいくならしょうがないなぁ、折れてやろう」というのを、楽しむことができていたかどうか、という視点です。
少し脱線になるかもしれませんが、ソロでピアノを弾くのは完全に一人の世界なので他者から音楽を引っ張られるということは少ないと思いますが、例えば自分が歌い手だとして、伴奏がつくだけで一気に歌いにくくなったり、ここはこういう感じでブレスしたいのにな~、と思ったりすることはありませんか?たった一人共演者が増えるだけで、舞台上には力学(音楽の引っ張り合い)が発生します。自分はこうしたいけど、君がそうするならばこう歌ってあげてもいいよという具合です。自分一人で演奏する以外の時は、ほぼ確実にこうした状況が生まれると言ってよいと思います。つまりは、こうした力学は避けることはできないですし、自分の思い通りに歌えないということが悪いことではないということです。しかし、そういう力学を楽しめていたかどうか、という視点をみなさんにお示ししたいと思ったのは、こういう力学こそ、合唱なのではないか、と思うところがあるからです。(これは吹奏楽でも言えるのかもしれませんが。)
パートの中には小さな力学があり、全体練習の時には大きな力学があるようにも思います。そうした音楽の引っ張り合いが、結果的によびごえらしいサウンドを創り出すように思いますし、指揮者がいないからこそ、この力学と今まで以上に向き合わざるを得ないとも思います。10人未満で、かつ指揮者無しで全国大会で堂々と歌う中学生、高校生の姿を見ると、こうした力学を楽しんでいるように僕には見えます。よびごえのみなさんにも、きっと、できるはず。そこには、新しい感覚が待っているのではないでしょうか。
【前期の練習の運営について】
コロナの変異株のことを思うと、少なくともよびごえの稽古に参加したことによって陽性者が出なかったことは本当に良かったと思いました。Zoomでも、思いのほか、音楽の内容については指導ができたことも良かったと思いますし、これまでのよびごえの稽古のように、みなさん1人1人に考えてもらい、それを積み上げて演奏を作っていくというプロセスもほぼほぼ再現できたと思います。
もし後期に向けてお願いしたいことがあるとすれば、指揮者がいないとき、テンポがどんどん遅くなることは本当によくあることです。そうしたときに、曲の途中であっても軽く振って(指揮をして)、音楽を前にもっていってくれるような人がいると大変助かると思いました。前期は最初と最後だけ、振ってくれたと思いますが、「春こん。」が無事に開催されることとなり、みなさんも参加したいと思ってくださるのであれば、作品の難易度はこれまでよりも高くせざるを得ないと思います。そうしたとき、前期のような、最初と最後だけを振るシステムでは完成まで持っていけない可能性を危惧しています。
感染症対策やオンラインを活用した稽古については、前期でほぼ確立できたと思いますので、あとは上述の、より難易度の高い作品にも対応できるようなシステムの構築ができれば来年以降にも役立つものになると思います。変拍子やテンポがころころ変わる曲、それぞれのパートがまったく合わないような曲など、高度な合唱作品が演奏できる能力を1人1人はもっていると思うのですが、それを指揮者無しでみんなであわせて、本番も指揮者無しで演奏できるようになるための方法を考えていきたいですね。これは後期に向けた僕の大きな宿題とも言えますし、みなさんと協力しながら解決したい課題です。
以上、改めて、先日の合唱祭はお疲れ様でした。
夏休み真っ最中で、エンジョイされている方も多いと思います。コロナには本当にお気を付けいただきつつも、楽しいことをたくさん経験してください。YouTubeで合唱を聴きまくったり、合唱指導の本を図書館から借りてきて、なるほど!とか、いや~ここは違うやろ~!とツッコミを入れてみたり。そして、勉強会の時は、メンバーみんなで一緒に合唱と向き合いましょう。
小田
おまけ:ねぷた金魚
青森の夏はそろそろ終わります。
…
18
July
2021
2021
第76回東京都合唱祭
『合唱のためのエチュード①』『合唱のためのエチュード⑥』(松下耕作曲)より「くじら」(谷川俊太郎作詩)
「ひこうき」(谷川俊太郎作詩)
「ゆきがとける」(まど・みちお作詩)
「いきもの」(工藤直子作詩)
※感染症対策のため、マスクを着用して歌唱。
自己PR:こんにちは!合唱団よびごえです。私たちは音楽×教育をテーマに様々な視点から合唱を学んでいます。今回の合唱祭では「生命」をイメージした4曲を演奏します。1年生を迎え、新しくなったよびごえのサウンドをどうぞお楽しみください。(松本)
…
07
July
2019
2019
第74回東京都合唱祭
無伴奏女声合唱のための『きまぐれうた』より「恋」(みなづきみのり作詩/土田豊貴作曲)無伴奏女声合唱曲集『なみだうた』より「雨のあと」(金子みすゞ作詩/信長貴富作曲)
自己PR:皆さんこんにちは。合唱団よびごえです。私達は東京学芸大学音楽科の学生です。新入生を新たに迎え、新体制で日々楽しく活動しています。学年も専攻も違い、個性豊かな私達ですが、今日は皆さんに素敵なハーモニーをお届けしますのでお楽しみください。(國元)
※聴いてくださる際は音量を大きくしてください。ヘッドホンの方が良いかもしれません。…
07
July
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.010
こんにちは!1年A類の伊野綾那です。今回は、今年度初のステージ!7月7日(日)の東京都合唱祭について書き留めたいと思います。実は、私は高校の合唱部時代からこの合唱祭に毎年参加していました。そのため、会場の新宿文化センターはもはや思い出の場所です。しかし、どれだけ同じ舞台に立ったことがあったとしても、毎回見える景色は違いますし、この空間でどんな演奏ができるのかという緊張と興奮は、毎回湧き上がってくるものですね。
さて、早朝の最終練習を終えて、静かな雨の中会場に向かうと、続々と出演される合唱団の方々が集まってきました。合唱を愛し、仲間とともに楽しんでいる方々が、これだけいるのか!と驚かずにはいられませんでした。合唱祭が始まり、実際に演奏を聞いていくと、年齢、人数、ジャンル、演奏形態など、非常に様々でした。コンクールのように規則、審査、順位…などに縛られず、表現したいものを表現する。まさにお祭りという名にふさわしい、楽しい時間でした。
それでは逆に、私たちよびごえは何を伝えることができたでしょうか。目標であった「自分たちが感動し、感動させる音楽」、そして「爆発した本番でしか作れない音楽」を作れることはできたでしょうか。ここで、講評、他の団体からの感想文の一部を紹介します。
《良かった点》
・透明感のある歌声で12人とは思えない豊かな響きだった
・優しさ、温かさ、人間とは…などが伝わってくる英知ある演奏だった
《改善点》
・メゾ、アルトがソプラノに消されがちだった
・各パートが音楽の流れを作り出せるとさらに良い
・言葉一つ一つの表情を表現してほしい
など多くのご意見をいただき、嬉しさを噛みしめつつも、よびごえの次なる課題が見えてきました。もちろんそれは、「感動をはらんだ音楽を届ける」ための手段であることを忘れず、これからの音楽作りに活かしていきたいと思います。
最後に、私の個人的な感想になってしまいますが一つ。感想文を読んでいるとき、「今後も歌い続けてください。」という言葉が深く心に響き、感動が溢れてきたのです。よびごえの歌声をまた聴きたい、他の誰かにも聴いてほしい、と願いのこもった一言のように感じられ、こんな私も歌って良いんだ、と本当に心が救われました。音楽は、自分のためではなく、聴いてくださる誰かのためにあるのだ、ということを改めて確信した瞬間でした。感動を生んだ音楽が、演奏する者の喜びとなり、また別の場所で感動を生み出していく。音楽の力って本当にすごいですね!!!
約3か月間、向き合ってきた『恋』『雨のあと』の練習は一旦終了し、これからは、小金井祭に向けて再出発です。ひと夏をかけて、さらに進化したよびごえの姿をお見せできるよう頑張ります!
次回のよびごえ日誌は笑顔のかわいい谷夏七星さんです!お楽しみに! 伊野…
01
July
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.009
はじめまして!1年フルート専攻の今城琴美です。今回は合唱祭前の最後の練習でした。各自発声をした後、まず通し練習を行いました。立ち位置の確認や歌い始めのタイミングの確認をし、本番をイメージした練習となりました。歌う前に、心を落ち着けてその曲の歌詞に思いを馳せ、気持ちを作って準備することが大切だと感じました。
まず『恋』の練習では、テンポの変わり目などのアインザッツの確認をしました。
曲の始めは特に私自身も不安に思っている部分だったので慣れるまで何度か練習することが出来て良かったと思います。
タイミングを揃えることを意識しすぎるとどうしてもためらいが生まれてしまい、余計にずれてしまったり、テンポも引きずりがちになってしまったりするので全員が自信を持って思い切って入ることが大切だと思いました。
『雨のあと』の練習では、アルトパートはメロディーの部分で明るい声で歌おうとするあまり、声が浅くなってしまっているという指摘を受けました。奥に響きのある声を出しつつ、歌詞の明るいニュアンスを出す歌い方を出来るよう工夫しようと思います。
また「かわく」という言葉が何度も繰り返されていることに着目し、それは何故なのか、どのように歌えばいいのか、ということを考えました。「涙のあとがもうかわく」という言葉から、かわいてほしいという思いを感じるという意見や明るくキラキラとしたイメージを持つという意見がありました。
また全体を通して、小田さんから「感動を届ける演奏をしよう」というお話がありました。
ただ上手な演奏をすることは求めていない、1人でもいいので誰かに感動を届けられる演奏をすることを今回の合唱祭の目標にしようということでした。
みんな一生懸命に和声分析や、楽譜の読み取りをしがちだけど、それはあくまでも心に響く演奏をするための手段であって本来の目的を忘れてはならないと気付かされました。
いよいよ7日の日曜日が本番です。4月に入団して3ヶ月余り向き合ってきた『恋』と『雨のあと』を皆さんに聴いていただけることがとても楽しみです。
聴きに来てくださる方々に曲に込めた私たちの思いを届け、心に響く音楽を作りあげたいと思います。
次のよびごえ日誌は、ソプラノの1年生の伊野綾那ちゃんにお願いします! 今城…
27
June
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.008
A類1年の滝澤奏有美です。1年生も、練習を重ねるうちに段々慣れてきました。東京都合唱祭まで残りわずか、暗譜練習も始まり曲を深めています。この日は、発声を井出さん、『恋』と『雨のあと』を小田さんに指導していただきました。まず、2人でペアをつくって、お互いの声が聞きやすい位置をとります。その状態で、できるだけ強く、かつ良い声で、aのlegatoで発声をしました。パートが違う2人でペアになり3度音程でやった時は、普段遠くてよく聴けないメンバーの声も意識して聴くことが出来て、他の人の声を聴きながら歌うことの難しさ、大切さを再確認できた練習でした。
『恋』の練習では、まず発声が浅いという指摘を受けました。周りに声を合わせようとして、自分たちの本来の声楽での発声ができていませんでした。前回の練習で学んだポジションのことを思い出すために、母音で歌う練習を行いました。また、「息をはやく」という抽象的な現象を確認するために、鼻を指で軽く塞いで、摩擦音によって息の量を認識することもしました。感覚だけでなく、客観的に発声を理解することで、確信として歌うことができると感じました。
『雨のあと』では、なぜ作曲者がこのような音をつけたのか、このようなテンポに設定したのか、ということに引き続き留意して練習しました。最後のコーダ部分では、作曲者が、実際の詩にはないものをかなり付け加えて曲の盛り上がりを作っています。普通はこういうことはNGだけど、これは作曲者に「自分も作品の一部として入れて欲しい」という思いがあってのことで、つまり詩だけでなく作曲者の特徴も感じながら歌うべきである、という観点は、今までの自分にはないものでした。また、技術とイメージのバランスをよくとることで、表現を磨いていけるということを学習しました。
合唱祭まで残り一回の練習となりました。焦りもありますが、昼練も加えて、残りの時間で曲を磨いていきたいと思います。
次の日誌は今城琴美ちゃんにお願いします! 滝澤…
17
June
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.007
こんにちは。2年声楽専攻の佐藤花音です。雨が降ったりやんだりしてはっきりしない天気ですね。あまり好きな季節ではないですが、『雨のあと』について考えを深めるには最適なことに気づきました!雨が上がったときの雰囲気を味わっておこうと思います!この日は、発声を井出さん、『恋』を草野君、『雨のあと』を小田さんが指導してくださいました。
まず、最初20分の発声の時間は、唇を閉じてのハミングからだんだんa母音に近づけていき、最後はkaで歌いました。kの子音の強さによって、聞いている人が受ける印象にどんな違いがあるか、どのような感情を呼び起こすか、というところまで踏み込みつつ行いました。合唱祭で歌う『恋』の冒頭のkに生かしていきたいです。
さてさて、その『恋』ですが、今日は後半部分を中心に取り組みました。「子音を使って、ニュアンスをだしてみよう。子音を発する前の時間をうまく使ってみよう。」ということが今日の1つの大きなテーマだったように思います。「ほのか」「ともしび」などの言葉の語頭に意識をむけて練習しました。この日私は調子が悪かったため、声は出さずに見学していたのですが、アドバイスを受けて歌が変化していく様子は聞いていて楽しかったですし、見ていて勉強になりました。子音の使い方を考えるためには、まず、どのような気持ちなのか、何を伝えたいのかということを、いかに具体的に考えそして自分自身の身近な感情と結び付けられるかが鍵な気がします。この日確認した、この曲の詩が書かれている視点についても踏まえつつ、考えを深めます。
もう1曲の『雨のあと』は、作曲者が意図したニュアンスに考慮しながら、テンポや予備拍など基本的なことについての認識を共有した後に、冒頭8小節とその後でのテンポの違いはどうしてなのかを考えました。前奏部分と本編だからという意見や、雨が降っている時のあまり動いていない感じから雨が上がって活動している感じへの変化という意見などがありました。ここの部分に限らず、何のために変えるのか、どんな感情があったのか、を大事にし、そしてそのためにはどう技術を使ったらいいか考え、言語化し、人に伝えられるようになる。これが目標なのですが、私は特に、どう技術を使ったら表現したいものが表現できるのかを考えるところが難しいなぁ、と感じています。試行錯誤を重ねます!
また、歌うときのポジションについても学びました。声楽の発声における理想は深く広く。自分自身が感じる真ん中を基準として前に出してみたり、後ろに持って行ったりいろいろ試した後、合唱団よびごえでのポジションの認識を共有しました。
最後のミーティングでは、声を合わせるとは?合唱とは?という類のコメントが多かったような気がします。とても個人的な話になり、申し訳ないのですが、この前人生で初めて一人で美術館に行きました。画家が描きたかったことそのままを、直接見ることができる美術作品と違い、音楽は作曲家が表現したかったことが演奏者を介して伝わるという点が面白くもあり、難しくもあるなぁと改めて思いました。歌の場合は作曲家の前に詩人や作家がいるからなおさらです。絵を見たときに感じることが人それぞれ違うのと同じように、楽譜を見たとき・詩を読んだときに感じることも人それぞれ違うというのに、複数人で1つの曲を一緒に歌うのだから、合唱って不思議だなぁと思いました。
次のよびごえ日誌は、合唱祭で同じパートを歌う滝澤奏有美ちゃんにお願いしようと思います! 佐藤…
13
June
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.006
今回よびごえ日誌を担当するのは2年声楽専攻で、今回「恋」の指揮を振っている草野圭祐です。昨年までは、学生が指揮をするという場面は少なかったため、慣れないこともありますが、団員の皆さんの協力の下最近はやっとペースが掴めてきたかな、という感じです。今回の練習では、まず「雨のあと」をやりました。今回の大きな議題は「葉っぱ」という言葉の「葉」と「ぱ」の間に休符があるのは何故か、ということでした。歌い手からの視点、聞き手としての視点、作曲者はどのような演奏効果をもたらしたかったのか、そこに介在する感情について、空間的な広がりについて、などの多角的な方面からこの議題について考えました。話し合いながら考えると、一人では持たないであろう視点を取り入れつつ議論を進めることができるため、とても面白い話し合いになったのではないかと思います。
次に、「恋」ですが、今回は子音がもたらす演奏効果について、ということに焦点を当てて練習を行いました。どのような言語にも子音と母音は存在し、歌唱する上でその二つは非常に大きな要因を占めますが、私たちが普段声楽をするときは母音ばかりを気にしてしまい、子音を使うということをおろそかにしてしまっているのではないかと思ったので今回は子音に焦点を当てました。結果として、私が想像していたよりもとてもよい演奏効果が得られ、団員の皆さんもたくさん考え、それを表現してくれたので、よい学びになったのではないかなと思います。
私が合唱について考えるときに一つ軸にしているのは、必ずしも指揮者の求める音楽に批准することが正しいわけではない、ということです。団員がいればその人数分の表現方法や感じ方、伝えたい想いがあってしかるべきであるし、様々な価値観が団員の中にあればこそ聞いてくださる方の心に刺さる部分も増えていくのではないかと私は考えています。単一の情報を極めることも合唱の美しさだと思いますが、よびごえの皆さんには是非情報量の多い合唱をしてほしいな、と思います。きっとこのよびごえは合唱の新しい可能性を探すのに最適な場であるはずなので、皆さん一人一人の考えを大切にしてほしいなと思います。
次の日誌は、私と同学年のかのんさんにお願いしたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。 草野…
03
June
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.005
今回担当しますのは、3年声楽専攻の國元美乃里です。よびごえのメンバーはそれぞれ忙しいながらも、出席率がとても良いのがすばらしい!きっとそれはここがみんなにとってそれだけ価値のある場所だからではないでしょうか。さて、今日の練習は前回に引き続き佐藤さんの発声指導から始まります。前回の反省をふまえ、今回はより体系化された発声指導となっていました。二人組を作り、前後に並びます。前にいる人が声を出し、後ろにいる人は前の人の声に溶け込むように後から入ります。後ろの人が入ったのがわかったら前の人は手を上げます。前の人はかなり意識して耳を使わないと、後ろの人がいつ入ったのかわかりません。合唱において、周りの声をよく聞き、声を合わせるというのは常に求められることです。普段注意していても案外周りの音を聞けていないこともあります。このような練習の積み重ねが、曲に応用できる力を育むのですね。
今日は「恋」を草野君が、「雨のあと」を小田さんが指導してくださいました。今回の大きなテーマは、「歌詞をどう表現するか」。私たちは小田さんから、「ドラえもん深読みガイド」(小学館)の中のある一ページを渡されました。そこには、のび太君とドラえもんの会話があります。アイドル歌手のファンであるドラえもんに、のび太君が「そんなに好きなの?」と問いかけ、「ン、モウ大大大ファン!!」とドラえもんが熱を上げて発言する、という場面。この二人のセリフを音楽記号で表すとしたらどう表すか、それぞれグループに分かれ、考えます。のび太君はこんな性格だから、とか、ドラえもんの興奮度はsffで表そう、とか、実際にセリフを読んでみたり、様々な工夫がなされた答えが上がりました。そして、これを楽譜で考えてみます。作曲者はどうしてここにmfを使ったのか。逆に、どうしてmfとしか書かなかったのか。作曲者が楽譜に表した理由、表さなかった理由。私たちは同じ人間ではないので考え方が違うのは当然ですが、しかし、それを考え自分なりに表現することに意味があるのです。歌詞を書いた人、曲を書いた人、歌う人、聴く人、多くの人の心と身体を通って、それぞれの人の感じ方でその音楽を受け止める、音楽の素晴らしいところは、こういうところにあるのだと感じました。
本番まで残り一か月となりました。残された練習時間もだんだんと少なくなっていきます。今回の練習で考えたこと、できるようになったことを、次回の練習での新たな発見につなげられるように、私も個人練習を頑張ります!暗譜も頑張ります!
よし!次回のよびごえ日誌は、「恋」の指揮を担当してくれている草野くんにお願いしよう!お楽しみに!!! 國元…
30
May
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.004
はじめまして。4年声楽専攻の、名嘉眞静香です。初めてのよびごえ日誌にワクワクしています。7人で始まったよびごえが、今年は新入生が7人。今日はよびごえ日誌vol.004。vol.100のとき、vol.999のとき、どんなよびごえがあるのだろうと、想像するだけでうれしくてにんまりしてしまいます。
さて、今日のよびごえ。まずは、佐藤さんが発声練習を担当してくれました。彼女が発声練習を担当するときには、新しい発想や試み、工夫がいっぱいです。今日は他の人の声をよく聞こう、というもの。3、4人でグループを組み、前後に1人ずつ並びます。前の人は1音を伸ばし続け、それに重ねるように、後ろの人が途中から歌い始めます。後ろの人が歌い始めたと思ったところで、前の人は手を挙げます。後ろの人が実際に歌い始め、前の人がそれを認知するまでにどれくらいの時間がかかったかを、もう1人の人が確認します。「思ったより後ろの人が歌い始めてから気づくのに時間がかかった」、「和音でやったらどうだろう」、「2人でもできるのでは」など。たくさんの意見・感想が積極的に飛び交いました。みんな、よびごえをよくしたいという気持ちに変わりはないですね。1つの提案を、よりよいものにするにはどうしたらいいかを、みんなで話し合えるというのは、とても有意義な時間だと感じます。この練習法はまた続くようなので、次回も楽しみです。
今日は合唱祭に向けての練習も3週目。草野さん、小金澤さん、私で稽古をしました。音程やハーモニーは、よく指摘される要素です。これらを、どういう切り口から切り込んでいくのかを考えるには、なにで音程感とハーモニーが構成されているのかを知る必要があり、まだまだ勉強しなくてはと意気込んでいます。自分が前に立って稽古した後、「あの練習法を実践してみたらよかった」、「あの時の声かけよりも、もっと適切なものがあったのでは」と振り返ります。計画→実践→振り返りのサイクルをこなしていく事によって、自分自身のよりよい学習につながるだろうと、粘り強く信じて前進したいです。
稽古の最後には、私の1番の楽しみであるミーティングが始まります。団員も増え、さらに私たちはよく考え、よく喋る!どんどんミーティングの時間が長くなっていくような気がしています(笑)元気な人もいれば、お疲れ気味の人もいたり、それぞれが合唱を通して、お互いを知り、時間を共有し、なんとなく気づかったり、励ましたり。1人1人の悩みや葛藤、喜びが、よびごえ全体を突き動かすエネルギーになっているのを、強く感じます。よびごえ日誌vol.999でも、みんながありのままに伸び伸びいられる、よびごえでありますように!
次回のよびごえ日誌は、我らが団長、山口のエンターテイナー國元さんです!お楽しみに。 名嘉眞…
20
May
2019
2019
【2019】よびごえ日誌 vol.003
2019年度も本格的に稽古が進み始めました。みなさんには申し訳ないながらも、私が稽古に参加できる日が少なく、ほとんどの稽古を団員が担ってくれています。
音が取れるようになること、全パートと合わせる中で自信をもって歌唱できるようになること、まずはこれらの目標に向けてどのような手順を使えばよいのか、一人一人が試行錯誤をしているのではないかと感じています。
今日の稽古は少しだけ顔を出すことができたため、伊藤さんが指導しているところから見学ができました。楽譜に書いてある音と、実際に鳴っている音を聴き比べながら丁寧に音を合わせていく稽古でした。1フレーズ歌い終わると、団員からは「ここの音が取れないんだよね…」「ここはこんな感じでいきますね」など、パート内で声が漏れ、全体の指導を受けていながらも、音楽が少しでも良くなるように自分たちでも工夫をし、1人1人が主体的な試行錯誤をする場となっていました。
私も少しだけ稽古に首を突っ込みましたが、そこではアカペラの曲に伴奏をつけて弾いてみたり、「この曲の良いところを5つ言ってみて!」とアルトに答えてもらったり、どうしてみんなはこの曲を柔らかく歌おうって思ったの?(どうして荒く歌ってはいけないのか)、と曲のイメージを生成するためのアクションや質問を重ねました。
どうしても常套的な合唱指導はまずテクニック面を音楽の本質から切り離して稽古し、ある程度安定してきたときに曲の解釈、表現の仕上げを行う傾向があります。これは1つの方法として確立されていますし、まずは正確に歌えないと本番上手に歌えないのではないか、という不安が残るがゆえに定評を得ているのではないかと、個人的には感じています。
三善晃は、自身が譜読みを行う際に、曲が何を言わんとしているのか、どんな音楽的な世界がそこに拡がっているのか、イメージを十分に形成したうえで、その世界観に到達できるための稽古を重ねることを推奨しています。この考え方を上記の従来の指導法と突き合わせてみると、従来の指導法では「音取り➡曲の解釈➡表現の調整(仕上げ)」、三善流だと「曲の解釈➡音取り+表現」となります。どちらが良いか、それを安易に断言することはできませんが、少なくとも両者では、そのプロセス間での「合唱体験」が異なることは重要な点です。
従来型の指導法は、合唱作品を仕上げるための要素を分断し、1つずつ丁寧に積み上げていこうとする傾向がある反面、それ以外の要素を排除するという側面も持っています。そのため、音をとる段階では、曲の内容は知らなくても実施できる、という状況が生まれます。
一方、三善流の場合は、曲の世界観や背景を分かったうえで音をとるため、要素が混同しているとも言えます。しかし、音をとる段階から作品の世界に自身の身を置くことができるため、淡々と音をとる際にも、その音の質感を考慮することができます。
つまり両者について、音取りという活動の質が異なり、それゆえに団員の「合唱体験」は異なっている、と言えるでしょう。
たった1つのプロセスの違いでも、合唱という場の意味は変わってきます。
まずは様々な合唱指導のスタイルを経験し、自分でも実施してみることはとても大事です。そうした試行錯誤を重ねること、またその試行錯誤を目前にすることで、団員1人1人が成長していくことを期待しています。
そんなことを思いながら稽古の見学や実施を終え、振り返りでは、詩について意識が向いていなかったこと、詩を振り返ると丸い言葉が多いこと、「ゐ」が使われているのが良い!という詩に目を向けた意見や、次に来る和音が予測できないから音取りがしづらい、合唱も声楽の発声で良いと言われるけどよくわからないという歌唱技術に着目した意見、全体の前で指導することの難しさを実感したという指導法に関する意見などが出ました。
それぞれの課題をとりあえず共有してみる、というところから、自分の課題を誰かの頭が考えてくれる、ということが始まります。自分の課題を自分の力で解決することも大切ですが、時には、誰かの頭を借りて一緒に考えてもらうことも良いかもしれません。そうして、仲間ができていくのかもしれませんね。
5月病、梅雨に負けずにがんばりましょう!
小田…
15
July
2018
2018
第73回 東京都合唱祭
混声合唱のための『うたⅡ』より「さくら」(日本古謡/武満徹編曲)混声合唱のための『木下牧子アカペラ・コーラス・セレクション』より「サッカーによせて」(谷川俊太郎作詩/木下牧子作曲)
自己PR:よびごえとは、遠くの人に呼び掛ける歌、人のためにこそ歌う歌を理想のもとに、音楽を勉強する大学生たちの小さな合唱団です。今年で創部二年目を迎えました。少しずつ人数も増え、アンサンブルの可能性を実感する今日この頃です。これからも仲間と歌えるステージのひとつひとつを大切にし、活動していきます。(笛木)
※聴いてくださる際は音量を大きくしてください。ヘッドホンの方が良いかもしれません。…
15
July
2017
2017
第72回 東京都合唱祭
混声3部合唱とピアノのための組曲『クレーの絵本第1集』より「あやつり人形劇場」(谷川俊太郎作詩/三善晃作曲)
ぜんぶ~卒業式バージョン~(さくらももこ作詩/相澤直人作曲)
※聴いてくださる際は音量を大きくしてください。ヘッドホンの方が良いかもしれません。…
