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21
April
2022

【2022】よびごえ日誌 vol.3

こんにちは! 今回のよびごえ日誌を担当するのはA類音楽2年の大野菜々です。
今回は2回目の新歓でした。参加していただいた方々、本当にありがとうございます…(涙)
 
一般的な合唱団とは少し風変りな活動をしているよびごえですが、体験という形で参加していただくことで、1つでも発見を得ていただければ嬉しいなと感じています。個人的にはその楽しさにハマったらもう合唱の楽しさから抜け出せないような気がしています(笑)
 
さて、今回の稽古は主に詩の解釈、そしてそれをどのように技術に還元するのかという点についてをテーマとした活動でした。とはいっても、私が入団してからそのことばかり考えている気がしますね。稽古中に何気なく小田さんから与えられる課題に対して、1年前の私はあっぷあっぷしていたことを覚えています。周りの先輩方が素敵な意見発表しているのを見て、かっけえ、、、と思ったものです。また毎度のことではありますが、小田さんから与えられる疑問が毎回新鮮で、その視点の多さに驚かされています。自分が合唱指導に携わる際に、子ども達にそういった疑問に気づいてもらえるような稽古ができるのでしょうか… まだまだ人生経験が足りないような気がしています。よびごえ歴も1年程度の私ですが、この期間で様々な視点を手に入れることができました。自分の成長を感じる一方で、もう1年もたってしまったのか、と時の流れの速さを痛感しますね。
 
余談が過ぎましたが、ここからは今回の稽古で考えた問いについて記録します。
前回の「ぜんぶ」の稽古でも詩の解釈を行ったので、今回はその続きのような内容でした。今回与えられた課題は、【さくらももこの詩では繰り返されていない部分をどうして相澤直人は曲にする際に増やしたのだろう】という問いでした。2回繰り返される、というのはあらゆる分野においても製作者の強い意図を感じるポイントです。相澤直人はどういった思いでこのパートを作曲したのか、という点を考察しました。
 
そして次に考えるべき点は、じゃあ私たちはどのように演奏を変化させようか、という技術還元についてです。前回のよびごえ日誌でもあったように、音楽を作るうえでは雰囲気、ニュアンスを漠然と捉えるだけではなく、一歩踏み込んだ技術のことを考える、この過程が非常に重要です。
私はあまり合唱団に所属した経験が少ないので、中高の合唱コンクールでの経験を参考にしますが、学校での合唱指導では特に精神論が多かったように感じています。それは歌うことが自分の身体を使う技術という側面を持っているので、自身の気持ちが少なからず反映されるのは事実だからではないでしょうか。音科の学生さんの中でも「恋が自分の音楽に影響をもたらす」「天気が悪いからこの曲やりづらいな」などの意見がちらほら出ているのを日常的に耳にします。何なら私がその代表格です。天気が悪い日はレッスンだってうまくいかないし、雨が降っている時は調子が出なかったりします。でも、それってとても危険なことではないかな、と最近うすうす気づいてきました。例えば、学校の合唱コンクール。ここは明るい気持ちで歌おう、ここは寂しい感じだよね、事前にこういった打ち合わせをしたとして、いざステージに立ったら、緊張、焦り、そんな感情に支配された音楽が進んでいく。こう言った場面はきっとありふれた事例だろうし、気づいたころには本番は終わっていた経験は私にもあります。そんな事態を防ぐための対策が、私たちが常に向き合っている技術還元なのではないでしょうか。私は感情をそろえたうえで、どのような技術を用いることがふさわしいのかを考察し練習を重ねることで、より再現性のある合唱が可能になるのではないかと考えました。本番が終わった後に練習の成果を発揮することができたと思えるような合唱を披露するためにも、自分たちが感じ取ったものをどうやって技術に落とし込むのかを考えていく必要があるな、とよびごえでの経験を通して強く感じています。
 
私は常々音楽って不思議なものだなと感じています。音を通して作曲者が表現したかったものを感知したり、演奏者の表現したい情景を察知したり。誰にだってできる「音楽を発する」行為は実はものすごい情報量を抱えています。これが解析できるようになったら、音楽を通してのコミュニケーションがもっと実用的なものになるんじゃないかって思ってみたり。音楽は言語を用いないコミュニケーションツールだ、みたいな意見を耳にしたことがある気もします。誰かの演奏を聴いて、何かを感じる。当然のようだけど感じ方が文化によって違ってたり、逆に同じ文化には同じような傾向で伝わったりしそうですね。同じ情景を表現するにしても、日本人向けの演奏とアメリカ人向けの演奏が大きく異なったりするんでしょうか???
 
などと、これ以上は私の思考に収集がつかなくなってしまうので終わりにしたいと思います。自分の意見ばかり含んでしまったので、読みづらいものになってしまったかもしれません。よびごえでの自由にとことん甘えさせていただきます。
 
次回のよびごえ日誌は、2年A類の丸さんにお願いしました!! 大野菜々…
07
April
2022

【2022】よびごえ日誌 vol.1

よびごえの2022年度がはじまりました。
vol.1のよびごえ日誌は小田が書きたいと思います。
 
今日は新入生の稽古見学(新歓)でした。
新入生の皆さん、ご入学をおめでとうございます。
新しい生活や学び、仲間にわくわくしていることと思います。
新しい何かに取り組むとき、自分が変わろうとするときは、葛藤や整理が必要だったり、疲労を要することもあるかもしれません。でも、その引き換えとして新しい思考や行動、またそうした習慣が獲得され、ゆるやかに新しい自分が形成されていくのだと思います。いまのよびごえメンバーに僕が何か貢献できているかと問われると、僕自身がもっと勉強しなきゃと反省が先にくるのですが、それでもこのよびごえという場がメンバーそれぞれの思考や行動を刺激し、お互いが変わり続けられるエネルギーの健康的な循環が存在しているようにも思います。
「学校の先生になる」という目標から逆算して「合唱指導ができるようになりたい」という意思でも良いですし、学校の先生になるかどうかは別として「合唱と向きあってみたい」という意思でも十分です。自分の能力はいったん不問として、自身の興味の有無で、よびごえをご検討ください。
 
 
さて、ここからは新歓1日目の記録と小田の語りです。
 
曲は2年生以上が決めてくれ、新歓で1年生と一緒に挑戦してみたい曲として「ぜんぶ」(詩:さくらももこ 曲:相澤直人)が選ばれました。
 
早速余談ですが、この曲は、よびごえとしては2017年の東京都合唱祭でも演奏したことがあり、その時はピアノ伴奏版で、かつ僕がなにかの本番と被っていたのか参加できず、指揮無しで演奏したことを覚えています。この時の演奏が相澤先生とよびごえの最初の接点で、相澤先生がこの演奏を気に入ってくださり、それ以降よびごえのことも気にかけてくださるようになりました。たった1回の演奏が人をつなぐことがある、ということを改めて感じました。
 
⇩2分30秒から(この時は6人くらいで歌ってたのかな…?)
https://bit.ly/3jhjejW
 
稽古の流れは次のとおりでした。
 自己紹介、よびごえについての簡単な紹介(10分)
 体操、発声(10分)
 パート練習(10分)
 全体練習(70分) 
 振り返り(20分)
 
全体練習でははじめに、①全体を通して曲全体の雰囲気を確認したり、②開離配置やdiv.の箇所はアルトの音量を大きめにするなどの和音のバランスをとったり、ざっくりと確認を行いました。
 
休憩後は、解釈の時間にしました。
「ぜんぶ」の解釈は、いくつかの点で困難をもっています。1つ目は、すでに歌ったことがある場合は、過去の解釈に引っ張られてしまったり、そこから自力で抜け出すことが難しい場合です。2つ目は、YouTube等で、質が高かったり、好きな演奏があったりしてしまうと、その演奏に寄せようとしてしまう場合です。特に相澤先生ご本人が指揮されていたり、ピアノ伴奏においてはピアノを弾かれている演奏もあり、その影響力は小さくありません。
1つ目については「いま」演奏する意味を、2つ目については「私たちが」演奏する意味を問わなければいけません。私たちが演奏する時は、その作品を「いま」「私たちが」演奏することで何を、誰に伝えたいのか、ということを意識する必要があります。
 
そのため、今回は、本当に基礎の基礎に立って、「ぜんぶ」が収められている詩集『まるむし帳』から、「一元性」という詩群を読むところから始めました。
 
 

 
 
「ぜんぶ」という詩だけを眺めたり、「ぜんぶ」の詩に付されたさくらももこの絵だけを眺めたり、相澤先生の付曲された音楽だけを聴いたりすると、アクセスする情報が部分的になってしまい、「ぜんぶ」という作品の全体性を俯瞰することができない可能性があります。
 
「一元性」の詩群を僕が朗読した後、メンバーの顔が不思議そうな顔をしていたのが印象的でした。「ぜんぶ」を前提にこの詩群を初めて読んだ時、僕は「え、もっと分かりよい、柔らかい世界が広がっていると思っていたのに」とギャップでした。でも、だからこそ面白いと思ったといいますか…。
 
その後、「ぜんぶ」の詩について2つのクエスチョンを立て、各パートで話し合ってもらいました。1つ目はこの詩で言われている「大切なこと」ってなにか、2つ目は「ここ」ってなにか。
 
各パートから出た意見を抜粋して紹介します。
 「大切なこと」ってなにか
  ⇒自分が見ているすべてのこと、もの
  ⇒無いわけじゃないんだけどある、そういうもの
 
 「ここ」ってなにか
  ⇒時間軸としてのいま、ここ
  ⇒自分の中の場所としての、ここ
  ⇒図を参照

 
この活動のねらいは正解を誘導するものではなく、詩の世界に接近するための方法として、問いを立てました。問いを立てることで、詩に向き合う理由をつくるとも言えます。
 
このあと、駆け足ですが、では相澤先生はこの詩から何を感じ、感じたことを音楽という方法でどのように表現したのか、楽譜を眺める時間をとりました。
 
cresc. decresc. や…
25
September
2021

【2021】よびごえ日誌 夏休み勉強会編③

こんにちは、4年の中島菜々子です!
 
 今回の勉強会は、「各学校の『らしさ』を探そう!」です!
 全国合唱コンクールなどでも名が知られているような合唱の名門校をいくつか取り上げ、その学校の演奏を聴きます。そして、その学校ごとの合唱の特徴を考えました。
 着眼点としては、発声、子音・母音、姿勢、表情、選曲など様々。勿論曲によって変わる部分もありますが、中には、何年経っても変わらない、「その学校らしさ」が現れている部分があります。
 個別でのワークを終え、全員で発表を行うと、やはりその「らしさ」は様々でした。どの学校も、全国常連レベルだけあってやはり上手いのですが、一口に「上手い」といってもこれほど違うのか、と驚きました。
 
 そして、今日一番考えたかったことは、その「らしさ」が生徒達に及ぼす影響です。それぞれの学校の特徴は、生徒達の合唱に対する思いに影響してきます。例えば、「きれいな音楽こそ合唱。」といったイメージもあれば、「皆で音楽を楽しむ」ことを良しとしている合唱団もあります。合唱に対して異なる認識を持った人達同士が集まって合唱をする時、教育者はどのように働きかければよいのか。これが今回の勉強会を経て得た新たな課題です。
 
 また、今回の内容に関連して話題に上がったのが、合唱団員の「帰属意識」についてです。
 皆さんの周りでも、かつて一緒に歌っていた仲間が今は合唱から離れてしまっている、という人が少なくないと思います。その原因の一つとして考えられるのがこの「帰属意識」です。合唱団員の絆が強いほど、その合唱団での活動を楽しいと感じるほど、他団体での合唱に魅力を感じなくなってしまう或いは適応できなくなってしまう、といった可能性が考えられます。
 指導者として、今の合唱団をどうよりよくしていくか工夫していくことは勿論必要ですが、団員が今後合唱と長く付き合えるようにするためにどのように働きかけていけばよいのか。このように長いスパンを見据えて指導する必要性を強く感じました。
 
さて、最後になりました。
 よびごえの勉強会はただ研究するだけでなく、その後私たち自身が考えるべき課題が見えてくるのが非常に良いなと感じています。これからも、この貴重な機会を存分に活用していきたいと思います。 中島…
26
August
2021

【2021】よびごえ日誌 夏休み勉強会編①


よびごえでは、夏休みの間に計4回の勉強会が計画されており(ありがとうございます)、今日はその一回目で、発声練習について考えました。
 
各自が今までに経験したことのある発声練習を挙げ、その教育的ねらいはなんだったのか(何の能力が育つことが目的か)、また、そのねらいはどのようなカテゴリーに分けられるか(響き、母音、など)、ということをグループごとに考えました。自分でねらいを考えてもよくわからなかった発声練習も、他の人と話して考えつつまとめていって、グループでまとめたものを最後に全体で共有しました。
 
それぞれの発声練習について細かく書くことは割愛しますが、振り返り等ででてきたいくつかの視点について、以下書いてみます。
 
・発声練習の音程、子音、母音、動きの意味。
・年齢のちがいも考慮する必要がある。
(例えば、私が紹介した発声練習は既存の曲を使うものが多かったのですが、それは小学生の時に体験したものであり、飽きずに楽しく取り組むためにそのように構成されていたのではないかと思います。)
・ねらいを伝えるか伝えないか
メタ認知など、発達的な側面や、先生がどれくらい子どもたちと関わる時間があるか、自主性やモチベーションの状態にもよる。注意するときにはずさない(できていないときに止め忘れない)ことで、ねらいを伝えるということや、体で変わっていくのを認知するという考え方もできる。
・コンビネーションについて 
発声練習の時間をどう構成し、曲の練習やパート練習につなげるか。取り組みやすいものと応用的なものの段階。
 
 
以上、振り返りでした。
 
発声練習について考えていて思い出しましたが、私の小学校の合唱団は、フロッピーディスクに発声練習に使う曲が入っていて、それを電子オルガンに入れて使っていました。音を上げたり、速度を速くしたりするのもその電子オルガンでできて、毎日取り組む型として共通認識ができていて、もし先生がいなくてもできる状態になっていました。
 
今日のワークを通して、発声練習を選択するには、前提として(または同時に)、どういう声で歌いたいか、どういう合唱をしたいかについて、方向性があることが必要だと思いました。そのうえで、効率性、分かりやすさ、楽しさなどの点で、対象年齢や発達についても考慮しつつ、工夫することが可能なのだと分かりました。
 

 
Zoomではあるものの、久しぶりによびごえの学びの場に参加できて、楽しかったです~!
 
次回は、伊藤さんにお願いします! 佐藤…
12
November
2020

【2020】よびごえ日誌

こんにちは!B類理科3年の荒川です!
11月12日は、第3回目のオンライン勉強会でした!
この後期のオンライン勉強会は、音楽の教育について事柄を取り上げて考えていく勉強会です。音楽の先生は、各学校に1人であることが多く、1人で決めなければいけないことが多いです。その時に役に立つような事柄について考えていく勉強会です。
 
今回のお題は、「赴任したその年にはじめて合唱部(合唱クラブ)ができました。その時、最初に生徒にやってもらう曲はあなたならどうしますか?アカペラ曲にしますか?伴奏つきの曲にしますか?」です。
アカペラ曲、伴奏つき、2グループに分かれて良いところを出していきました。
 
大まかな流れとしては
1. アカペラ曲、伴奏つきの曲、どちらの良いところを考えたいかを選択する。
2. 各グループに分かれて、15分ほどかけて良いところを出していく。この時、自分が選択しなかった方の意見を否定しない。(Zoomで行ったのでブレイクアウト機能を使って各グループに分かれた)
3. 中間発表を行う。小田さんから意見などをもらう。
4. 中間発表で気づいたことや、小田さんからの意見などを基に、もう1度良いところを探していく。
5. 最終発表を行う。
6. まとめ
このようになります。
 
実際に各グループでどのような意見が出たのか、原文をそのまま載せたいと思います。
 
 
【中間発表時】
 
~アカペラ曲グループ~
 
・一人一人の声がわかる→周りの声きく、自分の声もきく
・音とり、アンサンブル能力
・部活動としての特有さ(授業にはない経験、意識)
・なんとなくじゃ済まない→責任が重い→パート練ちゃんとやるのでは?
・課題にぶつかりやすい→成長、できた時の達成感
・難易度が高い曲が多い
・どこでもできる
・伴奏いらない(人が減らない)
・コミュニケーション、意見を出し合う
 →人間関係的なところ
・伴奏→アカペラだと、抵抗感あるけど最初にアカペラやっておくとハードル下がる気がす る
・「声だけ」の響きを味わえる、より合唱っぽい!!
・指揮を見る。
・ピアノに声量負けるっていう問題が一つ減る
・最低2人でもできる
・各パートの役割がけっこうはっきりしている(メロディー、伴奏っぽい)自分の役割→責任
 
 
~伴奏つきの曲グループ~…
16
July
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.008

こんにちは!B類音楽専攻の神谷咲妃です。
梅雨も終わり、夏の暑さが続く日々となりました。そして学芸大学もようやく春学期が終わり、長い夏休みが始まりました。また7月から対面授業が一部再開されましたが、やっぱりレッスンは対面に限る!と改めて思いましたし、何より先生や同期に会えるというだけで刺激になります。
さて本日のよびごえ勉強会では、普段のようにグループワークと個人ワークでそれぞれ1作品について考え、そして今回は最後に当団3年生佐藤花音さんによる課題研究の発表も行いました。以下、ワーク内で出た皆さんの意見を挙げていきたいと思います。
 
 
【グループワーク】
『マザーグースの5つの歌』より『ソロモン・グランディ』
谷川俊太郎作詞/青島広志作曲
 
①第一印象
◇スウィングの楽しい曲調なのに、歌詞が物騒
◇お客さんを巻き込む作品→演奏会向け
◇自由表現の「騒ぐ」部分が面白い
◇無邪気
 
②予測される歌唱技術面での困難箇所
◇波線部分(=自由表現)で何をするか
◇テンポが速い、跳躍や付点のリズムが多いということによる譜読みの難しさ
◇モチーフの付点のリズムをどうとるか(正確さ、ジャズ調のどちらに合わせるか)
◇「騒ぐ」部分からpへの急激な移行
◇冒頭のbunのコントラバスのモチーフの歌い方
◇最後の高音の伸ばしと和声
◇指導者としての舵取り
 
③この作品ならではの体験・学び
◇日本語に訳された曲のため、原曲との比較鑑賞が可能
◇「マザーグース」について、ジャズ調の歌唱法についての学習
◇楽しさを共有する術、また恥ずかしがらずに表現するということの学習
◇歌詞に込められている「皮肉」の読み取り
◇技術を土台とし、その上で「遊ぶ」ということ
 
④この作品を取り扱った先に、合唱団にどのような変化があってほしいか
◇固定観念に囚われない作品との向き合い方を学ぶ
◇音楽を楽しむものということを思い出す
◇「自由」に立ち向かう勇気
 
 
【個人ワーク】
『ゆずり葉の木の下で』より『モン・パパ』
谷川俊太郎作詞/信長貴富作曲…
09
July
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.007

こんにちは!2年A類音楽選修の伊野綾那です。
先日、Google フォトのアーカイブに、昨年の東京都合唱祭の写真が出てきました!「あれからもう1年が経ったのか…!」と時の流れを感じるとともに、同じ空間で合唱をしていたことが夢のように感じられ、何とも言えない不思議な感覚になりました。
 
さて、今回のテーマは、「『戦争』『死』『差別』といったシビアな作品を通して、どのような学び・体験を提供することができるか?」というものでした。
まずは、それぞれのワークで出た、皆さんの意見を挙げていきます。
 
 
 
【グループワーク】
『しゅうりりえんえん』「ゆうきすいぎん(有機水銀)」
石牟礼道子作詩/荻久保和明作曲
 
①第一印象
・強い怒り、悲しみの強さを感じる
・Fの低音が怖い、シンゴジラを感じる
・オワオワといった意味のない言葉が怖い
・演劇的  
・器楽的に声を使う箇所がある
 
②予測される歌唱技術面での困難箇所
・無調に近く音が細かいため、音取りが大変そう
・細かく記された強弱の変化を忠実に再現すること
・器楽的な部分を、どのような効果を狙っているのかを理解し、演奏に反映させること
・語りの部分の音程、アーティキュレーションのバランス
 
③この作品ならではの体験・学び
・その時代に生きていた人々の目線から水俣病について知る体験
・詩の一人称になりきる体験
・演劇的な歌唱の体験
・自分の演奏と演奏効果についての学び
・自分よりも幼い人が死ぬという疑似体験
 
④この作品を取り扱った先に、合唱団にどのような変化があってほしいか
・合唱作品が人に与える影響の大きさ、それを歌う責任の重さを知ってほしい
・感動などから音楽が生まれるだけではないという実感
「こういった伝えなきゃいけないことを伝えるためにも歌って生まれるのだな」
・感情をあらわに、殻を破る
・水俣病、死、重い内容への考え方が変わる、実感が変わってほしい
 …
02
July
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.006

こんにちは!A類2年の滝澤奏有美です。梅雨が続いていて、豪雨被害が出ているようで心配な毎日です…
今回は、「小学生の歌とは?」をテーマに楽曲探究を行いました。観点ごとに皆さんから出た意見をまとめます。
 
【グループワーク】
童声合唱とピアノのための組曲「わらべうた」より『あきかんうた』(谷川俊太郎/三善晃)
 
〇作品の第一印象
・言葉遊び。リズミカルで楽しい
・言葉が無意味。心を空っぽにして歌う曲。「みんなで協力して歌おう!」という意志がわかりやすい
・二部に聴こえないくらい音の響きが充実している
・「春が来た」挿入の意味は?
 
〇予測される歌唱技術的な困難箇所
・パート間の掛け合いが多くテンポが速いため、はめるのが難しい
・最後ページ、ソプラノの高音持続やアルトのオクターブ跳躍
・言葉が多い。しっかり言いたい
・臨時記号が多く音取りが大変
・「春が来た」のメロディーとの重なりを聴く
 
〇この作品ならではの体験・学び
・いい意味で歌ではないみたい。話し言葉に近い形で歌に触れられる
・言葉遊びや軽やかな語感を味わえる
・強拍にアクセントが多いので拍子感がとらえやすい
 
〇この作品を取り扱った先に、合唱団にどのような変化があってほしいか
・言葉の質感に興味を持てるようになる。
・リズムや拍子が分かりやすい曲なので、曲の構成の初歩的なことを知る
・テーマのある曲とない曲の違い、テーマのない曲を何のために歌うのか考える
・発音の楽しさを知る、言葉と音のつながりに対する抵抗をなくす
・昔のこどもたちの遊びの楽しさを知る
 
☆この曲は、途中で童謡「春が来た」が挿入されます。曲中で突然「春が来た」を重ねる意味について考えたところ、メンバーからとっても素敵な意見が出てきました!
・遊びの最中、別の子供集団がやってきて、または空き缶遊びに飽きた一部の子供たちが、「春が来た」を歌いだす。子供たちの自由奔放な様子を表している
・冬は寒くて缶蹴りができなかったけど、春が来てやっと遊べる喜びを表している
・5時になると町に流れるチャイムの音楽。生活になじんでいる曲だけど、ある意味突然である。「5時だ、そろそろ帰らなきゃ!」
 
「春が来た」挿入の意味、私は考えても全く思い浮かばなかったのですが、皆さんのひらめきは素晴らしいです…どの意見にも感動しました…。
 
 
【個人ワーク】…
25
June
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.005

こんにちは!A類音楽選修2年の堀切彩愛です。今回も楽曲探求と事例研究を行いました。最初に小田さんから合唱に関する視点として、ドイツの声楽教育についてや演劇と音楽の関係について、また音と言葉の関係についてや文学と音楽の関係について、他の楽器から学ぶことについて、建築と音楽の関係についての本の紹介がありました。
 
~楽曲探求~
今回のテーマ:同じ曲で違う編曲 どういう理由でどっちを選ぶ?
【グループワーク】
「サッカーによせて」(谷川俊太郎作詩/木下牧子作曲 アカペラ)
1. 作品の第一印象
 爽やかで明るい曲 元気・素直
 はつらつとしている
 メロディーがキャッチー
 詩にメッセージ性がある
 一体感がある
 歌詞が好き
 歌いやすそう
 青春っぽい
 
2. この作品を取り扱うにあたって予測される歌唱技術の側面から見た困難箇所
 跳躍が多い(6度、4度)
 疾走感、テンポ感を保つこと(男声が刻みで女声がその上に乗っかるイメージ)
 各パートがメロディーを分担するので役割意識を持つこと
 リズムが走ってしまいそう(自分のパートが単独メロディーの所は特に)
 高い音も多いのでブレスのコントロールが必要…
18
June
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.004

こんにちは!B類2年の今城琴美です。
いつの間にか二年生になり三か月がたち、六月も下旬に差し掛かってきました。部分的にですが七月には大学に行ける兆しが見えてきて嬉しい限りです。よびごえも合唱はできていませんが、オンライン勉強会という形で、毎週密度の高い2時間を過ごせていることに感謝しています。
 
さて、オンライン勉強会もあっという間に第四回目となりました。
毎回行っている「作品を通した体験探求」ですが、今日は最初に、これへの取り組みをより深めるために、新たな視点やアプローチの仕方を小田さんからお話し頂きました。
この探求は、曲をみる角度を養うことを目的に行っていますが、曲をみる視点というのはどうしても固まりがちです。このように、作品に向き合うときの癖が出てきたというのはアイデンティティの表出と捉えると良いものでもあります。よびごえ勉強会の中では人との意見交換をする中で、他の方の視点を知ることが出来るのでそれだけでも一つの学びになるでしょう。ですが、もっと各個人が自分の中に様々な視点を持てるようにと、ドイツの歌唱力の定義(一例)を紹介していただきました。
 
私も自分の、曲をみる視点がいつも同じでもっと視野を広げたいと思いつつも、どのようにアプローチしてよいのか分からず困っていたので今回このお話をしていただけてとてもためになりました。確かに、このよびごえ勉強会の中では、他の方の考えをお聞きすることが出来るので最終的には様々な視点から曲をみることが出来ますが、実際に教師となって楽曲を扱う際には自分一人の視点から曲に向き合うこととなります。その時のためにも今から様々な視点を持っておくことは重要だと私自身も感じました。
 
ドイツの学校教育での声楽指導の指針を例に取り上げ、まずは楽曲探求の中で「歌唱技術の側面から見た困難箇所」を考える際に役立つヒントを示してくださいました。
・リズム(リズムの反復)
・音域(音域の広がり)
・音(転調への対応)
・声の発達(健康な声の響きと声量・発音)
・表現(曲想にあった声の使用)
・読譜(フレーズの終わりを見つけて歌唱)
・身体(一定の調整を保って歌唱)
・認知(聴いた音を真似、音の違いを認識して歌唱)
ドイツのとある教科書では歌唱力の定義としてざっくりとはこのように分類されています。
 
また「この曲を通して何を学んでほしいのか、合唱団にはどのような変化があってほしいのか」という、到達目標にあたる部分を考える際のヒントも示してくださいました。
・音楽の構造を理解して歌唱に繋げる
・歌うことと話すことの違いを考える
・声をどう使って歌唱を通した芸術作品を創出するかを学ぶ
・楽器としての声を知る
・感情と表現の関係を考える
・声と息の練習
・感情と声の関係を考える
・話し言葉による作品と韻律を持つ詞作品の違いを学ぶ
・人の声について知る、人の声でどのようなことができるか
日本では指導要領にもみられるように広い概念的な到達目標が多いですが、ここで出てくるような具体的なものをこのワークの中で到達目標に設定しても構わないとお話しくださいました。
 
小田さんが仰っていたように、ワークシートとの向き合い方、作品との向き合い方をここでもう一度考え直すきっかけとなりました。そして、自分の考えやすいテーマから考えるだけでなく、もっと外に目を向けて違う視点を持って取り組んでほしいという願いが伝わってきました。
このような学びのヒントをいただけたという意味だけでも今回はとても意義のある勉強会だったなあと私は開始10分で満足していました(笑)
 
 
【グループワーク】
「Zefiro torna」(F. Petrarva作詩/L.…
11
June
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.003

こんにちは!A類音楽教育専攻3年の小金澤です。
 日誌を書くのはずいぶん久しぶりですね。最後に日誌を書いたのはいつだったかな…と探してみたところ、なんと昨年の9月下旬でした!半年以上経ってる……時が、経ってる……恐ろしい…。
 
 6/11は4回目のオンライン勉強会でした。流れは今までと同様なので、扱った曲と共有された意見について記録します。
 
 
【グループワーク】
「Pretender」(藤原聡 作詩/作曲)
 
〇作品の第一印象
・原曲とギャップがある(調、伴奏、テンポ等)
・歌いにくそう。
 
〇この作品を取り扱うにあたって予測される歌唱技術の側面から見た困難箇所
・知っている曲だからこそ、正しく歌いにくい。
・音取りが主旋律でさえ難しい。
・メロディの上下が激しい。発声に課題が出てきそう。
・和声が独特。メロディをよく知っているからこそハモリのパートが難しい。
・ポップス特有のリズム(アウフタクト、シンコペーションなど)があるため、楽譜通りに歌うことが難しい。そもそも楽譜通りに歌うことが良いのか。
・言葉のリズムと歌のリズムが一致していない。
・長い前奏の後に男声から始まる。
・フレーズの出だしが低音から始まることが多い。
・言葉が細かく、響きがなくなってしまいそう。
・男声パートにロングトーンがある。
・女声がdiv.からunis.になるのが難しい。
 
〇この作品ならではの体験・学び(特徴)
・よく知られているので取り組みやすさがある。
・耳から入るので楽譜を見たときに音程などを意識しやすい。
・歌詞に感情移入して歌う。
・移り替わる主旋律により旋律への意識が高まる。
・リズムを正しく縦を合わせる。
・ポップスを合唱でより美しくするためにどうすればよいのか。
 
〇この作品を取り扱った先に、合唱団にはどのような変化があってほしいか
・ポップスを歌うことから合唱や歌うことを好きになってほしい。自己肯定感の上昇。
・ポップス独特のリズムの歌い方等のポップス攻略ができる。
・歌詞に感情移入するきっかけになる。
・メロディを印象付けて歌える。…
28
May
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.002

こんにちは!A類2年生の谷夏七星です。学校のオンライン授業が始まってもうすぐ1カ月が経ちますが、私はようやくオンラインに慣れてきたところです…。早く皆さんに会いたいです!!
 
 今日は、オンライン勉強会第2回が開催されました。前回はオリエンテーションがほとんどでしたが、今日から本格的に勉強会が始動です!〈教育学的な視点〉この曲では何を体験し、学ぶことができるのかということを2曲について考えました。
 
 1曲目は『獅子の子幻想』より「都の春」(蓬莱泰三 作詩/鈴木輝昭 作曲)を、以下の流れでワークしました。
 
①小田さんによる曲についての説明
②音源を聴き、グループワーク
③グループワークの検討内容の共有
 
 ①では、新潟を発祥とする角兵衛獅子を題材とする作品で、角兵衛獅子とは、昔、芸を見せ出稼ぎをしていた貧しい家庭の子どもたちのことであることを初めて知りました。この作品は、作詩者である蓬莱泰三さんが、当時かなり悲惨な状況であった角兵衛獅子の様子を表現として幾分かやわらげたい、と仰っていることや、『獅子の子幻想』の4曲の詩や流れ、描かれている内容についても見ていきました。1曲目の「都の春」は、語り・事実のナレーション・主人公(角兵衛獅子)の心情、この3つの視点が錯綜して書かれていました。
 ②では、少人数に分かれてワークを、「作品の第一印象はどうか→作品を取り扱う上での技術的な困難箇所はどこか→作品特有の学び・体験は何か→作品を取り扱った先に、合唱団にどのような変化があってほしいか」という流れで、以上の4点について検討しました。
 最後に③では、②で出た各グループの意見を共有しました。その内容を、簡単にまとめました。
 
・技術的な困難箇所
言葉が速いことによる発音・発声の統一に難しさがある。変拍子をなじませることが難しい。Legato部分と十六分音符が多用される部分の表情のコントラストを出すことが難しそう(伴奏が先行して雰囲気を変えてくれるため、そこまで困難ではないのでは?という考えもありました)。
 
・この作品特有の学び・体験
言葉と音楽の関連性を感じる。方言のようなものが音楽に与える影響を知る。語り・事実・心情の歌い分けができる。伝統文化の背景を知る。
 
・合唱団にあってほしい変化
自分が体験していないことでも物語の世界に入って歌うことができるようになる。ほかの作品でも、多様な視点から歌詞や楽譜を捉えられるようになる。決意や感情をこめて表現することに喜びを感じるようになる。
 
 ここに記した以外にも、様々な意見が出ました。
 
 この作品の譜面は複雑で、技術的な困難箇所を挙げればきりがないと思います。しかし複雑な音形や変拍子にとらわれると、その作品の本質や本当の魅力を知らず、技術を身に付けようとするだけで終わってしまうことを、この作品を通して私たちは学びました。私はこの作品を中学生の頃に歌いましたが、当時ここまで深く考えることは全くできていませんでした。〈教育的な視点〉から曲を分析することで、曲の本質や、指導される側では気付けなかった魅力を探ることができ、とても有意義なワークでした。
 

 
 2曲目に扱った作品は、Ave Maria(Javier Busto 作曲)です。小田さんからの説明の後、グループではなく個人でワークをし、検討内容の共有をしました。個人ワークでの検討内容は、グループワークのときと同じです。
まず、ドイツ人の批評家Sven Hinzさんのこの作品に対する批評を確認しました。Hinzさんはこの作品を、「シンプルなメロディーラインで描かれた作品である。冒頭部分にある五度の2回の上行は神聖なものの表れであり、楽譜を図形として見たときに信者・信仰の素朴さや純潔さが見て取れる。」と論じているそうです。
次に、個人ワークを行い、意見の共有(各項目2,3人ずつ)を行いました。
 
・第一印象
全体的に包み込まれるような印象をもった。和声がとても幸せだった。もっと宗教曲を聴きたくなった。…
21
May
2020

【2020】よびごえ日誌 vol.001

こんにちは!A類3年生の伊藤真緒です。久しぶりのよびごえ日誌ですね。
 現在、新型コロナウイルスの影響で対面での活動ができず、例年のよびごえとは全く違う新年度を迎えています。合唱をすることはできませんが、合唱好きな人達が集まったメンバーなので、オンラインでも出来る形で学び続けようと頑張っています。「合唱作品をもっとたくさん知りたい!」という声が多かったこと、そして将来合唱指導や教育に関わりたい人が多いということで、作品探究と事例研究を中心としたオンライン勉強会を小田さんが計画して下さいました。一人だとなかなか踏み出せない時も、何かを一緒に始めてくれる仲間がいること、それを手助けして下さる小田さんには感謝しています。
 

 
 ということで、さっそく今日はオンライン勉強会第1回目です!
なんとこの勉強会では団員だけでなく、新入生や卒業生、他学科の方等…多方面の方が興味を持って下さり、総勢20人でZoomを行いました。
今日の流れは、
○各紹介
○オンライン勉強会の概要説明
○作品を通した体験研究(概要・目標の共有、進め方について)
○今日の振り返り
です。
 自己紹介はコンパクトなものでしたが、しっかり顔と名前は一致しました。(Zoomは常に名前が表示されているので有難いです)
 
 この勉強会では、合唱作品を《体験的な価値(教育学的な視点)》から探究していきます。また、指導法も切り離して考えるので、まさに作品そのものが持つ教育的可能性にフォーカスしていくということです。その作品を体験することで得られることや他の作品とは違う楽しさを見つけ、合唱指導において選曲をする際に役立てたいと思います。
 
 第1回目なのでメインの研究に時間を取ることはできませんでしたが、今日は『きっと ほんとは みんな』「きっと ほんとは みんな」(里乃塚玲央作詩/大田桜子作曲)を取り扱いました。私はこの曲を知らなかったのですが、同じ曲集の中の「学校へ行きたい」は印象に残っている作品の一つです。小学校6年生の時(2011年度?)に県大会でこの曲を初めて聴き、強い衝撃を受けたのですが、その年のNコンブロック大会でも全国大会でも金賞を取った学校が「学校へ行きたい」を歌っていたのを思い出しました。他に、大田桜子さんの作品では『地球のてっぺん』や『にんげんとせかいのふしぎ』が好きです。
 話が逸れてしまいましたが…、これを「歌っていて楽しい」「なんか心動かされる」ではなく、「この作品ならではの体験・学びは何か」「この作品を取り扱った先にどのような変化があるのだろう」という風に考えていくわけです。「きっと ほんとは みんな」でいえば、歌詞に多く登場する「好き」の歌い分けによって強弱や発音の効果について考えるようになる、掛け合いの部分で他パートを意識し始める、といった変化が子供たちに現れるのではないかと思いました。私は楽譜と音源からこのようなことを考えましたが、まず詩に着目してみる人もいるかもしれませんし、他のメンバーや小田さんからは全く違った視点・距離感からの考えを得られると思います。いつも課題に一人で向かう時間が多いので、いろんな人の視点に触れる機会はとても楽しみです。
 
 終わりに。よびごえ日誌のアーカイブを読み返していると、楽譜とにらめっこしながら意見を交わしたり、本番に向けて練習に励んだり、今日は何人いるんだっけ~と言いながら椅子を並べていた日々すらも恋しいです(笑) が、いつかこれを見返した未来の自分が「こんな不況もあったけど有意義な時間だったな」と思えることを願って…!
今できることを頑張りたいと思います。
 
次回のよびごえ日誌は谷さん、お願いします! 伊藤…
13
May
2019

【2019】よびごえ日誌 vol.002

2019年度、1年生を含めた新体制の初回稽古が始まりました。
 

 
7月7日(日)出演予定の東京都合唱祭の曲が以下に決まったため、まずはそれに向けたパート分けを行いました。
 
 『きまぐれうた』「恋」(みなづきみのり作詩/土田豊貴作曲)
 『なみだうた』「雨のあと」(金子みすゞ作詩/信長貴富作曲)
 
つい数か月前まで混声合唱を行っていたよびごえですが、今年度は女声合唱からのスタートです。
混声合唱には混声合唱の響き、女声合唱には女声合唱の響きがあると個人的には考えており、これは単純に、複数人が集まって声を出し合うだけで成立するものではありません。響きを作るための理論と合唱の歴史的文脈の中で形成されてきた価値観とがポイントになると思われます。
 
そこで今日は、女声合唱の響きを自分たちなりに整理するためのワークを行いました。
 
ワークの内容として、まず、3つのグループ(パートごと)に分かれ、じゃんけん等を行いリーダーを決めました。
 
その後、事前に準備した以下の4曲を順に聞き、その演奏の特徴をグループごとに整理しました。
また、今回選択した2つの時代を考慮に入れ、約30年前と今、その時代ごとの発声や言葉のさばき、音楽の表現などに変化が見られるかどうかを整理しました。
 
1989年 鹿児島女子高等学校 「いま」 (阪田寛夫作詩/尾形敏幸作曲) 1991年 安積女子高等学校  「聞こえる」 (岩間芳樹作詩/新実徳英作曲) 2017年 大妻中野高等学校  「君が君に歌う歌」 (Elvis Woodstock作詩/大島ミチル作曲) 2018年 豊島岡女子学園高等学校 「ポジティブ太郎~いつでも始まり~」 (つんく作詩/上田真樹作曲)  
時間の都合があるにせよ、たった4曲を聴いただけで時代比較を行うことは強引なのですが、ただし、女声合唱が約30年を経てどのように変化したのか、そしてこれから30年後の女声合唱はどうなっているのだろうか、という問いを得るためにこのワークを行いました。
 
1989-1991年から2017-2018年に向けて女声合唱はどのように変化したのかについて、学生の意見をカテゴリーごとに整理してみました。
 …