よびごえ日誌


2025.05.26 【2024】よびごえ日誌 vol.29
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《最後のはるこんを終えて -よびごえでの四年間-》
 
こんにちは、四年(でした)一柳です。実は昨年度三月、はるこん後に最後の日誌をほぼ書き終えていたのですが、そのまま海外に飛んでしまい、新生活準備に追われ放置してしまっていたものをこの度発見いたしまして、最後の日誌ですし自分の記録としても、皆様への一つの感謝の形としても提出するか…と思った次第でございます…。最後の日誌がこんなにも遅くなってしまい、すみません。どうか温かい気持ちでお読みいただけたら嬉しく思います。以下、以前執筆したため時間軸に違和感がある部分もありますが、本文になります。
 
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よびごえは無事、はるこん2025を終え、また新しい春を迎えようとしています。団員の皆様、小田さん、今年度も一年間お疲れ様でした。
さて、びっくりしてしまいますが、これが私にとって最後のよびごえ日誌になります。ざっと数えたところ、連名のものも入れると、これまでの4年間でおそらく8つのよびごえ日誌を執筆したようで、これが9つ目の日誌です。入団し、よびごえ日誌の存在を知った時、自分にとっての今の記録のために、毎学期ごとに一つくらいのペースで書こうと思ったので、おおよそ達成できていたのではないかと思います。でも、最後の、などというとつい身構えてしまいますね…。何を書くか、考えてしまい、一旦これまでの日誌を読み返しておりました。
一年生の時はずっと遠くに見えていた卒業のゴールに、こんなにもすぐに、実感も持てないうちに気がついたら辿り着いてしまって、時間ってあるようでないような、正確で均等なようで歪んでいるような、不思議な概念ですね。
 
私は中高時代を合唱部での活動に捧げ、高校は学校を合唱部で選び、この大学に入学したのも合唱部という場での経験や歌を通して知り合った方の影響が大きかったと思います。ですが、自分の中で大学の4年間は意図的に少し合唱から離れる期間でした。そんな中で唯一継続的に続けた合唱団がよびごえでした。というか、大学では特定の継続合唱団には入らない予定だったのですが、気がついたら入っており、気がついたらそれなりに頭や心や色々なスペースを占めており、気がついたら終わってしまっていたのがよびごえでした。自分が思っていた以上に、よびごえやよびごえによって知り合った人から受けた影響は大きく、貴重なものであったように思います。
これまで、小さい時から、やはり合唱部出身で歌が好きでよく歌う母の元で育ち、幼稚園くらいからは近所の習い事の関係で毎週讃美歌を合唱し、中高は合唱部で過ごし、ずっと近くに合唱というものがありました。それぞれの時期・団にそれぞれの色と思い出がありますが、よびごえだけは今までのどの合唱とも、向き合い方や自分の中での位置づけがかなり異なっていたように思います。それは、これまでの団が“集団として”の色が強くそこに皆が合わせていく・あるいはそこに合う人が初めから集まるような団であったのに対し、よびごえは団員皆が教育学部で音楽を専門にしており、それぞれにそれぞれの目的意識や価値基準を強くもって活動している、“個の集まり”的な側面の強い団であったからではないかと思います。それは指導者である小田さんの、“合唱だからといって全員が同じようになる必要はない”という考えも大きくあってのことでしょう。よびごえでは、これまでの合唱活動とはくらべものにならないほど、沢山沢山思考しました。自分にとって合唱とは何なのか、なぜ音楽をやるのか、本当に真剣に向き合ったように思いますし、指導法や発声、選曲、歌詞解釈、集団づくりや関係づくり、人間の音楽的な発達にいたるまで、数えきれないほど多岐にわたる、合唱にまつわる様々なことを考えさせられました。それは必ずしもいつも楽しい時間ではなかったですし、答えが出ずもやもやすることや、重たい気持ちになることもありました。しかも、沢山考えたこと達は、いくら考えても決して一つの正解にたどり着けない、これからもずっと考え続けなくてはならないようなものも多いでしょう。しかしそれでも、というのか、だからこそ、なのか、よびごえの場でいただいた様々な視点や問い、考え方、そこから自身で考えたことは、今後合唱教育というものに向き合う上で大きな糧になると感じています。
 
よびごえでは稽古での話し合いや振り返りや日誌を含め、学年や年を超えて沢山の方と深い対話ができ、関わったすべての方から少なからず影響を受けたように思います。そして、何よりも沢山の大切な出会いがありました。(卒業後も、実はそのご縁がまだいくつも繋がっていること、とても嬉しく思います。)
今、楽譜整理を経て私の棚にひっそりと収まった、よびごえで学んだ曲たちには、それぞれにそれぞれの思い出たちが詰まっています。
最後に、お忙しい中私たちのため、合唱のためにご尽力くださった指導者の小田さん、私と深く関わってくださった団員の皆様をはじめ、かかわりをもってくださった学校様やその先生・生徒様、応援してくださった方など、これまでよびごえを通して私に関わってくださったすべての皆様に、感謝申し上げます。四年間ありがとうございました。それでは、またいつか!
 

一柳優里愛