よびごえ日誌


2022.11.15 【2022】よびごえ日誌 スタコン練習編03
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こんにちは。B類3年藤原改です。今日はスタコン本番に向けた最後の練習で、本番曲の「Salve regina」「白日」を練習しました。
本番前最後の練習ということで、今回は細かい表現以外にも本番への向かい方について意識するような稽古になりました。
 
【Salve regina】
・響きを小さく作らない!自分たちの近くで響きを揃えようとせず、空間全体に響かせて「観客を包む」
・合わせるために遅くなる/小さくなることはないように!基礎はなっているからこそ前向きに歌う
・歌詞の単語間のエネルギー(修辞学的な意識)を大切に
・音/音程が何かを象徴すること・その違いを理解する
・語尾の処理を適切に行えるような場所/深さのブレスを心がける
 
 
【白日】
・この曲全体のトーンはどう設定するべき?
「諧謔的な(全てを見下ろすトーン)」「強め」「乱暴に見えて本当は傷ついてる」etc… 何かしらの意思を持つ
・原曲を踏まえた曲中でのテンポ変化について共通認識を持つ(ピアノの8ビートによるテンポキープ!)
・各声部のバランスと音程の最終確認
 
本番に歌うメンバー全員での稽古が実施できたため、バランスや音程など地盤となる音楽づくりの部分については念入りに確認が行えました。男声パートを担当している私個人の実感としては、混声四部合唱に比べて混声三部合唱の方が男声パートが担当する役割/音域が広く、根音として全体のハーモニーを支えるのか(混声四部合唱におけるBassの標準的な役割)、内声のような役割を果たすのか(SopとPianoの左手がそれぞれ外声の役割を果たしてアルトパートと男声パートで内声を担当する、といった動きは混声三部合唱にありがちだと勝手に感じています)、それぞれの役割に応じて声量感がかなり異なるため、すごく練習を始めたころは頭を使って歌っていた記憶があります。
 
7月の合唱祭に向けて取り組み始め、もう半年間この曲と向き合ったわけですが、だいぶそういった点については無意識に演奏できるようになってきたなと感じました。
ただ、だからこそ変な癖がついてしまった部分には気づきにくくなっているのもまた事実でした。音楽づくりの点においては、そういった癖をとり改めてこの曲の細かい部分と向き合う作業ができたなと感じています。
 
 
また、今回の稽古は「本番への向かい方を意識する稽古になった」と前述しましたが、それは前の段落で述べた「音楽面の最終調整」と別に、「本番の演奏を意識した稽古」たらしめる何かがあったからだと感じます。
それは具体的な文言が、というよりは稽古全体の雰囲気(小田さんの発言の端々から、また、団員の姿勢から)なのかなと思いますが…具体的にはあまり答えが出ません。
 
でもこの「本番前最後の練習」特有の感覚は、かなり経験した事があるものです。特に、何日も何か月も、たった1曲2曲に費やして練習していた中学高校の合唱部時代はいつも存在する感覚でした。
一度練習のすべてを手放して、頭に、身体に染みついている音楽を精一杯表現するような感覚。今回の稽古でも「練習してきたことは全部忘れて」という発言がありましたし(前後を省略しているせいで誤解を招いたら申し訳ないですが)、今までも様々な先生にそう言っていただいた記憶があります。そしてなぜだか、そうやってのびのびと楽しんだ演奏の方が九割九分上手くいくんですよね…。
 
指導者側の立場で考えると、この「本番前最後の練習」で児童生徒にどういった声がけを、指導をするかはとても本番の状態に関わると思います。絶対的な正解があるわけではなく、対象とする集団の年齢や雰囲気、本番の目的などによって変化するものだと思いますが、児童生徒たちにとってその時その時の本番がより素敵なものになるための一助となれるように、都度考えていきたいなと感じました。
 
私の怠慢で日誌の筆がなかなか進まず、気づいたらもう本番当日ですが、のびのびと演奏出来たらなと思います!
次回の日誌もお楽しみに!

藤原