よびごえ日誌
2020.12.17
【2020】よびごえ日誌
タグ:技術的還元 , 春こん , 解釈
この日は、春こんの練習を始めて、3回目の稽古でした。
発声練習では、息を吸うときの体の状態(①鼻をどう通るか 広い状態・狭い状態 ②その息がどこへいくか 背中側・お腹側)や、言語が求めている響きの位置があること、そのための練習の仕方を学習しました。息が鼻腔を通りながら、同時にハミングで音を出すということをしました。
Ave maris stellaでは、パート間の音程やブレスの位置、それに伴う息の使い方、ポイントが当たっている声であるかということを確認後、この曲の詩について、韻律の話がありました。12音節詩行であるというまとまりや、詩のリズム・意味から来るうねりがあること、そして私たちが分かっていることをどのようにしたら音楽で伝えることができるか、という問いが提示されました。また、そのうねりは3つのパートで時間軸が異なる部分と、tuttiで同じ波をつくる部分があること、aveという言葉から想起されるもの、韻をふんでいること等についても言及がありました。
前へでは、音程や開離に伴う歌い方等基本を確認しつつ、少しずつ曲の内面、表現に入っていきました。主旋律のエネルギーを他のパートに示し全体で共有していくこと、掛け合いや感嘆符をどう表現するか、どれくらいの決然さかなど、構成を考えた計画的かつ意志がある音の使い方を考えるためのヒントがありました。個人的に、「時間をかけてあたためるべきは、この曲のどれぐらい深いところにずっといられるか」という言葉が印象に残りました。
振り返りとしては以上です。話は変わりますが、最近、「炎」(Lisa)と「前へ」がどことなく似ているなと感じました。私は流行に乗り遅れて鬼滅の刃は見ておらず、曲の背景にあるものは分からないですが、なんとなく思いました。一人で歌う・複数人で歌う、曲が世に出た目的など違いは多くありますが、(だからこそ、)未来を考える想いや喪失の悲しみへのエネルギーを考えるヒントをもらえるような気がします。