よびごえ日誌


2022.10.02 【2022】よびごえ日誌 合唱祭辞退と夏休みインライ編📷
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今年度、よびごえの夏休みの活動は、1.2年生チームと、3年生チームに分かれて実施しました。
 
今年度の夏休みの活動の背景には、よびごえ結成以降、途絶えることなく出場していた東京都合唱祭への出場ができなくなったことがあります。今年もたくさんの新しいメンバーがよびごえの活動に加わってくださり、団としても声が新しくなったので、合唱祭では自分たちで合唱を創る活動を楽しめる曲、これからの合唱活動の基盤となる「音楽」を考えられるような曲と願いを込めて、King Gnuの「白日」の合唱編曲版、K. Bikkembergs作曲の「Salve Regina」を演奏予定でした。
 
白日とSalve Reginaと聞くと、「え、ほぼ真逆の曲やん」と思われるかもしれません。その通りです。
でも、実はこの2曲、いずれも混声3部合唱の作品であるからこそ選んだという理由もあります。
音楽作品の類似もしくは相違を見ようとするとき、例えばポップスや宗教曲といった「ジャンル」の視点や、混声3部合唱や同声2部合唱など「編成」という視点からも見ることができます。今回の2曲はジャンルという視点から見たときには相違が認められますが、編成という別の視点からみると類似が認められるという位置にあります。今回の2作品は、この2作品の組み合わせだからこそこうした複雑さをもつわけで、「え、ほぼ真逆の曲やん」と最初に思った方がいれば、合唱祭の本番が終わるころには「あ~この2曲はたしかにこういう視点から見ると全然違うけど、こういう視点から見てると似てるよね~」と、作品間の複雑性を実感をベースに当たり前に語れるように変化してくれたら、それは俗に「成長」という言葉に当てはめてもよいのかな、と思っていました。
 
もちろん、そんな概念的なことを学びと限定せずとも、ポップスを合唱として演奏することの難しさを肌で感じ、どうすれば解決できるのかという解決学習の意図もありました。音楽の仕上げ方という意味では普通の合唱作品のように詩からのアプローチではなく、音そのものの「ノリ」(みなさんの口からもたくさん出てきましたね)やビート感など、そういった方法でのアプローチも有効であることを共有できました(音楽言語からのアプローチ)。一方で宗教作品を扱うときには、やはり言葉の壁はあると思いますが、今日の主流な合唱指導のスタイルである詩からのアプローチを共に学ぶ時間にできたように思います。単語のアクセントや単語と単語がつながるときはどの言葉が大事なのかという、単語のもつアクセントと、文章としてのアクセントの違いから音楽をつくっていけるというアプローチも行いましたし、言葉の意味論からせめる場合は、やはりキリスト教に視点を向け、その世界を前提として、マリアとはどういった存在なのか、そういったマリアに対し私(作品の中での私)はどう思っているのか、ではそういう思いはどういう声で歌われるべきなのか、では具体的な歌唱としてはどういう技を使って歌うのか(ここにフォルテやピアノ、暗い声、明るい声が位置づいてきますね)、というふうに進めていくことができました。このアプローチの根幹は、指導者主導ではなく、指導者はファシリテーターになっているというところにあると思います。僕からは情報と問いを投げかけ、実際にマリアがどういった存在なのか、作品中の私であればマリアに対しどういう感情を感じるのか、それはみなさんに委ねました。
 
そんな音楽言語的アプローチや詩からのアプローチなど学びの仕掛けを準備していたということと、みなさんもきっと、稽古の中でたくさんのことを感じ、考えてくれたこの2曲を合唱祭で発表できなかったことに残念な思いもあったと思います。一方で、しょうがないことでくよくよしても前には進めないので、みなさんで挽回の機を考えてもらった結果、1.2年生から出てきたアイデアが「インスタライヴ」(インライ)でした。
 
よびごえ初のインライは、以下にて開催予定です。
ちなみに明日のインライの曲はすべて混声3部です(1.2年生の作戦だったのでしょうか?)。編成としてはすべて同じ。だけどもジャンルも違えば、作品に与えられたテーマも違う。教育目的で書かれた作品とそうでない作品など、様々な視点を感じさせる曲たちから、演奏とナレーション(司会)を通してどれだけの合唱の広がりをお客さんと共有できるのか。僕も、みなさんのインライから合唱を楽しみたいと思います。
全力での真剣勝負、よい本番になりますように願っています。
 
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👉 yobigoe_tgu_chorus
👉 10月3日(月) 19時 スタート
👉 君とみた海(若松歓作詞作曲)
  白日(常田大希作詞作曲、田中和音編曲)
  With You Smile(水本誠作詞作曲、水本英美作詞、富澤裕作曲)
  Salve Regina(K. Bikkembergs作曲)
  虹(森山直太朗/御徒町凧作詞作曲、信長貴富編曲)
 

 

(司会の音量チェック中)

 
3年生の夏休みの活動は、勉強会を開催し、3年生は3年生での合唱を行っていました。
僕が忙しさを理由によびごえ日誌を更新できていないという怠慢でしかないのですが、時間を見つけてアップしますので、3年生の皆さん、ご容赦ください…。

小田直弥