よびごえ日誌


2024.05.30 【2024】よびごえ日誌 vol.1
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 春こん本番からもうすぐ4か月が経とうとしている今、前年度の活動を振り返ろうと思います。この日誌を書き始めてからは3か月が経ちました。自分の筆の遅さにびっくりです。
 
 合唱とは何か。ある日、小田さんから問いがありました。
【合唱】複数人で声を合わせて歌うこと…?とそのとき頭に浮かびましたが、そういうことじゃないんだよなと思い、それからずっと考えていました。3か月以上のんびり考えて、なんとなく答えの輪郭が浮かび上がってきたように思います。まだ答えが出ていないなんてのんびりし過ぎでしょうか…。ですが私にとって合唱とは何かということについて色々と考えているうちに、自分が教員になったときに、子どもたちに合唱ってどんなものだって思ってほしいんだろう、学校生活や私の授業を通してどんな世界に出会ってほしいんだろうという問いも生まれ、自分の教育観についても考えるきっかけにもなりました。
 
 2023年の春こんに、よびごえのメンバーとして出場することを私は諦めました。(今でも後悔していることの一つです。)よびごえの活動を休んでいる間、もし復帰したとしたらまたみんなの足を引っ張ることになるのではないかという思いがずっとありました。1年生の時の感覚が戻ってきたようでした。1年生の時の私は合唱未経験で、毎回の稽古について行くことだけでいっぱいいっぱいでした。今思えば、ついて行くことすらできていなかったかもしれません。譜面から読み取ったこと、考えたことを具体的な技術に反映させて伝えることが重要なんだなぁ。でも、どうすればいいの?音を並べるだけで精一杯なんだよな。怒られたくないし、できないやつだと思われたくない。みたいな状態で、稽古後の振り返りではそれらしいことも言ったりして、背伸びしちゃったりもしていました。ただ足を引っ張っているということだけは毎回の稽古で感じていましたし、帰りの電車では泣いちゃいそうでした(笑)でも寝たらある程度忘れてしまって、それが良いんだか悪いんだかという感じですね。なんか、楽しいかも…?と感じた瞬間もたしかにありました。ですが、1年生のときに出た春こん後、正直合唱が好きなのかはまだわかりませんでした。当時を振り返って、そんな精神状態でよく辞めなかったなと思います(笑)こんな書き方をするとどんなスパルタ稽古なんだと思われるかもしれませんが、私が卑屈なだけで、毎回の稽古はメンバーに刺激を受け、新たな視点をもらえる充実したものでもありました。なので、これからよびごえに入ろうかな~と考えている方、ご心配なく。
よびごえに復帰した私は3年生になっていました。よびごえには1年生(私がのろのろ日誌を書いていたせいで年度が変わってしまいました。今ではもう2年生ですね、びっくり。)が4人も入ってきてくれました。うれしかった。音楽するぞ!という明るいエネルギー満ちていて、みんなの個性豊かなキャラクターや考えに触れ、なよなよしている場合じゃないぞと復帰後の私は踏ん張れました。また、尊敬する同期、後輩、先輩の存在にも心救われました。そして執行代にもなったということで、運営のための仕事も担うようになりました。大変さや責任の重さだけでなく、今までよびごえをつないできてくださった先輩方や小田さんの存在の大きさも改めて実感しました。よびごえの一員として稽古ができることや本番に臨めることが本当に有難く、幸せなことだなと思います。
 
 
春こんに向けた稽古を振り返って、今年度の活動に生かしたいことは、「反省会をするタイミングに気を付けること」「言語化することから逃げないこと」の2点です。
 
① 反省会をするタイミングについて
今回の春こんで歌った風の馬第3ヴォカリーズとだるまさんはずっと難解な曲でした。正直、本番当日を迎えても詰め切れていない部分というか、まだわからない部分がありました。だるまさんは物語の展開が早くパニック、風の馬もだるまさんよりかはテンポがゆっくりですがどこか掴めない感じがあって気が付いたら場面が変わります。そのために、演奏するときは次をどう歌うか、次、次、、という思考が重要だと感じました。私は稽古中に自分の中で反省会を開催してしまっています。ここが納得いかない、あちゃー、息がうまく吸えないのはどうして?この和音合ってる?など、歌いながら、もう過去となったことばかり考えてしまっています。改善点をあぶりだすことはもちろん重要ですが、本番や稽古の特定の場面においては時間を割くところはそこではなく、常に先のことを考える必要があると思いました。そうすることで、自分がどう歌いたいのかということを考えるのに集中することができます。また、もう変わらない過去のことより、自分次第で変えられる未来のことを考えたほうが精神衛生上良いなとも思いました。小田さんが以前どこかで、合唱は心のハーモニーだとおっしゃっていたと記憶にあるのですが、そのときはどういうこっちゃと思っていました。ですが、春こんの練習を通して、精神面が演奏に大きく影響することを身を持って学びました。気分の落ち込みを回避するため、これからは反省会をむやみやたらに開催しないことを誓います。
 
② 言語化すること
理論派か感覚派か。音楽科の仲間との間でもよく話題に上ります。私は、自称インプットは理論派、アウトプットは感覚派です。何かを教わるとき、順を追って一つ一つかみ砕きながらインプットしたほうが頭に入りやすいです。反対にアウトプットするときは、伝えたいことに適した言葉を見つけるということを簡単に放棄して、表情や身振り、擬音で押し出しか浴びせ倒し、が基本技という感じですね。昨年度の稽古で、自分の気持ちや考えを他者と交換することでだんだんとチームになれるのかなと思ったので、大事な場面で自分の考えや気持ちをきちんと言語化して伝えることから逃げないようにしたいなと思いました。
 
春こんを終えたみんなは一つ山を登ったからね、と小田さんが先日おっしゃっていました。春こんが山登りだとしたら、私たちはどんな山を登ったのかなぁ、私はみんなと一緒に登れたのかな、山だと思って実は丘を登っていたんじゃないだろうか、景色を楽しむ余裕はなかったなぁ(笑)、頂上はどこだったんだろう、と色んな考えや稽古での出来事が頭の中を巡って、夜しか眠れませんでした。今年もみんなで山登りができるといいです。
昨年度は、かわいい後輩と頼れる?同期、優しく聡明な先輩方、いつでも徳の高い小田さんと学ぶことができて、とても充実した一年でした。ようやく合唱が楽しいと思えた一年でした。
今は、今年度のよびごえがどのようなチームになってどんな音楽に出会うことができるのか楽しみです。また、よびごえラストイヤーなので、後悔が少なくなるよう、頭フル回転で毎回の稽古や本番に臨みたいです。

稲村歌乃