よびごえ日誌
2024.10.18
【2024】よびごえ日誌 vol.12
タグ:春こん , 解釈
みなさん、こんにちは。小田です。
今日から、後期の活動、春こんの稽古が始まりました。
今回の自由曲の1つは、詩は谷川俊太郎、曲は松下耕による「あい」にしました。
春こんでは、毎年、なんらかのテーマを設定して、選曲しています。あえて一言で表すならば、昨年は「願い」、2年前は「インドネシア」、3年前は「子ども」、4年前は「祈り」、5年前は「自然」、6年前は「沖縄」・・・といった具合です。
メンバー一人ひとりの顔を思い浮かべ、みんなとの思い出を振り返り、4年生と一緒に演奏できる最後の曲になることも考えながら、優しく、明るい、柔らかな現役メンバーとだからこそ一緒に取り組みたいテーマとして、今回、自然と思いついたのが「愛」でした。
愛という言葉について、もしくは感覚について、みなさんはなにを思うでしょう。
愛と言えば、特別な誰かへの思い、それは家族やパートナーに向けられるものもあるかもしれませんが、それだけでなく、大切な友だちや仲間への思い、好きなもの・ことへの情熱、もうこの世にはいない誰かへの思いもあるかもしれません。愛って、大切にしたい気持ち?なくなっちゃ困るもの?気がつくとあるもの?勇気や覚悟のいるもの?
愛とは何か・・・なんて難しいことは僕には分かりませんが、ただ、私たち人間が、紀元前もの昔からたしかに持っていたであろう気持ちや感覚なのだろうと思います。それは今を生きる私たちにも共通し、これからこの世界に生まれ出ようとする赤んぼうにも、生まれる前から、きっとたくさんの愛が向けられているのでしょう。
平成初期に生まれた僕の青春時代?には無かった言葉で、愛に近い最近の言葉として、「推し」をよく耳にするようになりました。
僕は未だに「推し」という感覚が分からないのですが、みなさんは実感できるものがあるでしょうか?
YOASOBIの「アイドル」が歌詞も音楽もかっこよくて、それきっかけで最近、「推しの子」というアニメを初めて見ました(シーズン1を見終えたところです)。嘘じゃない、本当の言葉を相手にぶつけることって、たしかに、簡単じゃないのかもしれません。僕からすると、親の目を見て「ありがとう」と言うのと同じくらいかもしれない、なんて思います。
憧れや夢、相思相愛ハッピーエンドだけでない、嘘、憎しみ、愛されたい、といった生々しさも描かれ、見ていて心の痛さも感じます。でも、たしかに、愛ってきれいなだけじゃないですよね。
昔からずっと好きなドラえもんの作品に「おばあちゃんの思い出」があるのですが、これも愛に満ちたお話です。いつまでもみんなが生きていることを当たり前のように考えやすいけれども、おばあちゃんもいつかはいなくなる、そうなる前に後悔の無いほどに「ありがとう」を伝えられているだろうか、と小学生ながらに考えさせられたお話でした。「のび太の結婚前夜」における結婚式前夜のしずかちゃんとお父さんとの会話では、自分が大切に思う以上に、相手から大切に思われている、ということもあるんだよなぁと気づかされました。
今回選曲した「あい」の谷川俊太郎の言葉に、松下耕の音楽に、みなさんはこれから何を見つけていくのでしょう。
今回の作品は、音が難しく、div.が多いという演奏上の難しさは確かに存在しますが、それを乗り越えた先に、とても大きな、大切なことを教えてくれる作品だと思っています。それは、いまのよびごえメンバーだからこそ気づけることであり、この作品を一歩一歩学び進めるごとに、1人1人がいままで以上に仲間と音楽を大切に思い、行動できる、最高のチームになってくれるといいなと、願っています。
最後になりますが、後期の動き出しのために、練習会場の確保や出欠確認、パート決めのために率先して動いてくれたり、みんなが迷わないようにと会場の地図を送ってくれたり、PCの準備、稽古場に早めについて鍵を開けてくれたり、稽古を録音してシェアしてくれたりなど、様々に動いてくださっているみなさん、本当にありがとうございます。
みんな、それぞれに大変さを抱えていると思いますため、決して任せっきりになることなく、学年関係なく自分にできることを探して、行動してもらえると嬉しいなと思います。それは、目に見える仕事でなくとも、音取りがしっかりできてると誰かの歌いやすさに貢献できるかもしれませんし、疲れてそうな人がいればさりげなく声をかけてくださるのも素敵だなと思います。「ありがとね」の一言で、救われる人もいるかもしれません。
あと2回の稽古で「あい」を通せるようにするぞー!!!おー!!!