よびごえ日誌
2024.11.08
【2024】よびごえ日誌 vol.14
タグ:春こん
みなさん、こんにちは。小田です。
今日の稽古、へろへろで申し訳ないです・・・。気合いの足らない自分への自戒として、今日の日誌は僕の方で書きたいと思います。
春こんの自由曲について、1曲を「あい」(谷川俊太郎&松下耕)にし、先週までの3回の稽古で、(無理やりなところもありますが)なんとか通せるようになったところです。
今日は2曲目である「Nyon Nyon」(Jake Runestad)を初稽古しました。パート別に音の確認を15分とり、残りは全体練として、合わせや通しを行いました。
「Nyon Nyon」に決定するまでに、実は、他に「この曲だ!」という曲が頭にあり、音取り音源も作成し、「これでいこう」と確信していたのですが、「この曲はよびごえメンバーの一生の体験になる曲なんだろうか」「いまのメンバー1人1人の良さを伸ばし、強くしてくれる曲なんだろうか」「合唱の本質や核心に気づかせてくれる曲なんだろうか」と考えに考え、自宅の楽譜部屋で寝っ転がりながら楽譜を眺め続け、その時に頭をよぎったのは大野さんの言葉でした。「なんだこりゃ!って曲がよびごえ」というような趣旨の言葉が頭にスーッと流れ、目が覚めたような思いでもう一度楽譜棚を漁っていると「これだ・・・」と出てきたのが「Nyon Nyon」でした。いつの日か、よびごえのみんなと挑戦したいと思って買っていた楽譜でした。「Nyon Nyon」を見つけて、また寝っ転がりながら、よびごえメンバー1人1人のことを頭に思い浮かべ、真鍋さんはいける、花世さんと加藤さんは明るい方だから多分大丈夫、石丸さんと佐藤さんも楽しんでくれるはず、2年生は〜、3年生は〜、4年生は〜とみんなの顔を一周し、これに決めました(もちろん藤原さんのことも!)。4年生のみなさんのことは、特に頭にありました。これがみなさんとのよびごえでの最後の合唱だと思うと、曲に、みなさんと共有したいメッセージが入っていることが重要でした。
正直、完成形は全く見えていないのですが、でもそれはみなさんとこれから探していくものなので、作品の力を信じ、みなさんの可能性を信じ、この曲で決定しました。
選曲は楽しいですが、責任ものしかかります。ここでは書ききれない、たくさんの願いを込めて、あいとNyon Nyonを選びました。みなさんが、これらの曲を通して「合唱とは何か」「音楽とは何か」、自由に考えていただけると嬉しいなと思います。
さて、稽古内では、演奏法に関する注意書きや、作品に関する説明書きの箇所もさらっと触れました。
演奏法については exaggerate が曲を一貫するキーワードだろうと思うのと、音については特に、かなり開いた母音をつくることがポイントになります(Bassは今回は例外とする)。鼻付近の筋肉の動きが音色の変化に影響するという機能を理解することも大切ですし、どんな音なのか、いろんなnyon nyonを聴いて、イメージをしっかりと持つことも大切です。来週までにできそうなことを各自で取り組んでいただければと思います。
作品に関する説明書きで重要なことは、この作品が、「人の声」という楽器の可能性を探究しようとする姿勢を持っていることです。「あい」は、松下耕の創る音楽的な構造だけでなく、谷川俊太郎による詩の持つ意味やメッセージも、演奏をしたり、聴いたりする上でのキーになります。一方でNyon Nyonは、意味のある言葉を持たないことが、「あい」との対比として重要です。「音の持つ力だけでなにかを表現する」のがNyon Nyonです。
Runestadは、現代音楽のさらなる前進に貢献したJohn Cageと同じ、アメリカの作曲家です。この作品には、音の持つ様々な色合い(効果)が凝縮されたオリジナルの言葉が散りばめられており、それらの組み合わせから「音による風景」をつくろうと挑戦しているようです。
「効果」という表現を使うと、なんだか難しいことのように感じるかもしれませんが、例えば、道を歩いているところ、後ろから わ!!!!!! と声をかけられると驚くかもしれません。これは、「急な大きな音」に「驚かせる」という効果があることを私たちに教えてくれる一例です。「Nyon」一つとっても、んーと伸ばしている間にcrescするか、変化なしか、decrescするかによってどんな効果につながるのか、考えてみるのは大切です。最初は「なんとなく」で大丈夫です。そのうち、いろんなことが分かってくるはずです。そして、こうした考え方が身体に染み付いてくると、「あい」のように意味のある言葉を歌うときにも応用できることに気づくと思いますし、声楽でも楽器でも、ご自身のより良い演奏を探すヒントにもなると思います。
今日の稽古では、真鍋さんからたくさんの気づきももらいました。真鍋さんのヴァイスパーカッションのサウンド、本当にきれいで感動しました。一方で、ヴァイスパーカッションは命がけだとも知りました、、、。真鍋さんと藤原さんの2人チームでこれから技を磨いてくださると思うとめちゃくちゃ頼もしいのですが、どうかお二人とも、肺は大切に、、、。小林さんのヴァイパがまた聴けることも楽しみにしています。
最後に、全然関係ない話なのですが、
「この人といると自分らしくいられる」と思ったら、それは「相手のおかげである」
という言葉を最近目にして、ハッとした自分がいました。
自分が自分らしく過ごしてしまったがゆえに、相手が自分らしくいられることに貢献できなかったのではないかという反省です。相手のことが大切だからこそ自分にできること、もっと磨いていかねばと思う今日この頃でした。
次回の日誌はどなたか4年生が書いてくださるでしょうか?🤔
とにかくみなさん、体調第一、喉にタオル巻いて、加湿器つけて寝ましょう!