よびごえ日誌


2019.07.15 【2019】よびごえ日誌 vol.011
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はじめまして。今回の担当は、1年アルトの谷夏七星です。
季節の変わり目になってきたからなのか、最近は学校中で体調不良者が続出しているようです。私も先日、風邪を引いてしまい声が出なくなりました。体調管理には気をつけたいですね!
 
今回の練習は、まずいつも通り発声練習を行い、その後、11月に開催される小金井祭のステージに向けて
『美しい訣れの朝』より「お母さん」(阪田寛夫作詩/中田喜直作曲)
の練習を開始しました。合唱祭で歌った2曲とは印象がかなり違う曲です。
 
音取りをするとともに、小田さんがこの組曲の詩を朗読してくださり、パートごとに次の2つのポイントについて話し合いました。
1.この組曲を、何か一言で表すとしたら何にするか。
2.この組曲の中で、3曲めの「お母さん」をどう歌われるべきか。
 
1点目については、どのパートも少し悩んでいるようでした。最終的に各パートで意見はまとめましたが、メゾとアルトは自分たちの出した答えに満足がいかず「何かもっと良い言葉があるはず!」と、なんとなくスッキリしませんでした。結局、他パートの意見を聞いても団員のほとんどが納得しきれずに終わってしまいましたが、今後の練習を通して何か一つでも、「こんな言葉が良いのではないか」と思えるような答えを見出すことができれば良いなと思います。また、初めは答えを出すことができなくても、「どんな言葉で表せるんだろう」と考えていることも曲の理解へ繋がると思うので、練習するときには常に意識して歌っていたいです。
 
2点目については、どのパートからも似たような意見が出されました。「お母さん」は、詩だけ見ても、他の4曲よりも激しく「苦しい」などの感情がダイレクトに言葉で表されているので、「最も感情的に歌う、死に対する本音を出している」といったような意見が多くありました。
 
初めて取り組む合唱曲がどんな曲なのかは、音源を聴いて知り、捉えることが多いと思います。ですが今回は音源を聴くのではなく、まず朗読を聴いて、その曲がつくられる元となった“詩”そのものから何を感じるのかということから始めました。音源から入ると、和声感やリズム・強弱などに注目してしまい、肝心な詩は後回しになりがちな気がします。もちろん、和声感などがあってこそ曲として完成されていますが、まずは詩本来の持つ言葉の意味や作詩者が伝えたかったことを汲み取ることで、本当の意味で、歌い始められるのではないかと思い、とても新鮮な練習内容でした!
 

 
また、音とりを進めるときに、「同じ四分休符でも、その後の歌詞によって休符の質感を変える」ということを全員が意識して歌いました。冒頭部分はソプラノとメゾが歌詞をうたっていてアルトはずっと休符かハミングで歌詞がありませんが、休符を意識しない時と意識した時では、ソプラノとメゾが歌っている歌詞から感じるものが全く違いました。「休符は単なる休みや準備ではなく、休符も音楽だ」とよく言われますが、これは正にこの言葉のことだなあ、と思いました。作曲者はなぜそこに休符を書いたのか、そこには必ず理由が存在します。「その休符を入れることで何を伝えられるんだろう?」と常に考えて歌うことで、音楽はより立体的に、メッセージ性を持つようになるのだと思います。
 
これから「お母さん」と向き合っていくことがとても楽しみになった練習でした。私(1年生)にとっては、初めての小金井祭!!団員全員で頑張っていきたいと思います!
 
次回のよびごえ日誌の担当は、いつもほんわか笑顔の堀切彩愛ちゃんです!