よびごえ日誌


2023.09.08 【2023】よびごえ日誌 vol.7 春学期の活動を終えて
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こんにちは。お久しぶりです。三年になりました、一柳です。
最近は実習に備え、指導案を練る日々です。領域は、自分の専門でもあり、今までずっと考えてきた歌唱にしました。ところが、さて。何をしよう…。私の配当校は、特に指定はなく、どのような内容を教えても良かったので、かえって、避けて通れない、ある問いが生まれ、進まなくなってしまいました。自分は歌の何を、あるいは歌で何を教えたいのだろうか、という問いです。私が教えることによって、歌が上手くなれば、学校教育における歌唱指導は、それで正解なのだろうか。しかしそもそも、上手い歌とはどんな歌だろうか。良い声?でも良い声って何?響く声、大きな声、綺麗な声、深い声…。それとも、聴く人に伝わるものがある歌?それとも、上手いとかではなくて、歌、音楽の楽しさを教える…?次々と疑問が出てくるのです。結果的に、迷った末、学年なども考慮し、今回は伸び伸びと歌により何かを表現する楽しさを学んでもらうことを最終的なねらいとして、授業を組み立てることにしました。考えている過程で、大きなヒントとなったのはよびごえでの学びです。
春学期のよびごえで、一度、比較鑑賞から自分たちの表現について考える機会がありました。私は以前から、鑑賞と表現の往還的な学習をもっと取り入れてはどうだろうかと考えていたので、それを実際に自分で体験できた、有意義な時間でした。歌唱による表現(歌唱にとどまらないとは思いますが)の学び方には、いくつか考えられます。私が考えたのは、四つの分類です。一つ目は、偶然学ぶこと。これは、幼児が声を出していたら歌になって、それを楽しむことであったり、歌っているうちにいつもと違う表現方法ができてしまったりすることが挙げられます。二つ目は、教えられて学ぶこと。これは、想像に難くないでしょう。誰かに教わることにより、新たな表現方法に気が付くことです。三つ目は、試行錯誤による学び。偶然の学びと近いですが、自分の意思による試行錯誤の結果、より良い表現方法を見つけるというものです。そして最後は、聴いて学ぶこと。この四つ目が、学校教育で取り入れることが可能であり、有効な学び方であるにも関わらず、あまり取り入れられていない印象をもったのでした。このことから、振り返りで、表現の獲得について気になったことを述べました。すると、他のメンバーの皆さん、そして小田さんから、ご自身の経験とも結びつけた、面白い意見や考え方が沢山でてきました。それが、表現とはなんだろうか、どのようにして獲得されるのだろうか、と深く考えるきっかけとなりました。
表現にとどまらず、合唱とは何なのか、合唱教育はどうあるべきなのか、よびごえは常に私に考えさせてくれます。そして、よびごえのメンバーから、沢山の気づきやヒントをいただいています。そのような場で学べていることに感謝です。今回、執行代という立場となり、意識していたことがありました。それは、学年関係なく、温かく、安心して学べる場をつくるとともに、誰かの気づきや、誰かの思考のきっかけになるような存在になることでした。私が一年生だった時、三年生の先輩方がそのような存在であってくれたから、それを引き継ぎたいと感じたからです。当時言うことが思いつかずあんなに嫌だった振り返りの時間も、温かい、なんでも言いやすい雰囲気を作って下さり、同時に、自分には考えもつかないような視点や考えを沢山見せてくださいました。小田さんと、歴代の先輩方がともにつくり、引き継いできたのであろうよびごえのよさを、私もまた私なりのやり方で残していけたらと思います。私がそんなことに気を回さずとも、今年の後輩たちからは気づかされることの方が多いですが(笑) 秋学期は四年生の先輩方も戻ってこられるでしょうか。またよびごえの皆様にお会いできるのを楽しみにしています!
大変に長くなりました。ここまで読んでくださりありがとうございます。それでは、これから季節の変わり目に差し掛かりますが、皆様お体にお気をつけてお過ごしください。

一柳優里愛