よびごえ日誌


2025.02.26 【2024】よびごえ日誌 vol.22 
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みなさん、こんにちは。小田です。
本番まで1週間を切ったところ、みなさんのことなので、変わらずお忙しくお過ごしだと思います。
 
はじめに、10月から稽古をはじめたこの2曲について、ようやく、みなさまにお届けできる日が近づいてきました。技術と心の準備はできているでしょうか?
 
残り1回の稽古で、僕はまだ、ギリギリまで音楽をつくりたいと思っています。発声のことや、詩の意味に即した旋律の歌い方、和音のバランス、その瞬間に求められている音色、強弱による曲全体の構造など、これまでにみなさんと一緒に作ってきた音に、もう少し、可能な限りこだわりたいと思っています。何かをみなさんに教えようなんておこがましいことは、今の僕は思っていません。一人の音楽人として、そしてみなさん一人ひとりも素晴らしい音楽人だと思っていますので、最後の最後まで一緒に、演奏をつくりましょう。
 
これまでの稽古を振り返り、みなさんが振り返りで出してくれた意見、次までに直したい箇所などはぜひチェックいただき、ギリギリまで良い音楽のためにもがいてほしいと思います。それと同時並行で、頭を空っぽにして、「この2曲を心から表現してみよう」と、解放の方向でも最終調整してもらいたいと思います。
 
約束通りの音を出す集団が合唱だと思われがちですが、僕は違うと思います。同じ空間で、一緒に稽古をしていた仲間とだからこそ共有できているであろう何かを信じて、自分らしい表現を最大限やったら、結果的にみんなと同じ方向で音楽をやってた、という合唱が、究極の演奏であり、チームなんだろうと思います。きっとソプラノはここをこう歌うだろう、ここのテノールはきっとこう来るだろうな、という「予測」は、チームへの「信頼」の証です。そして、そういう「私」だって、誰かに信頼されている存在であることを忘れてはいけません。
 
合唱特有の面白さは、本番直前になって、思った以上に周りが急に集中力を発揮してきたり、最後の最後まであきらめない仲間の姿に感銘を受けたり、本番直前でみんなが緊張しているのに落ち着いてフォローしてくれるような人が本番で最高のパフォーマンスをしてくれたり・・・、これは歌い手とピアノの2人で演奏する歌曲では得られない、特別な面白さに思います。明後日の最終稽古でみなさんが出してくれる音、姿を、僕はとても楽しみにしていますし、稽古の時、僕にばかり注意を向けるのではなく、仲間の音に耳を澄ましたり、姿から感じたり、そこからパワーをもらって、より良い音や集中力を探してみてください。
合唱でしか得られない、特別な経験をしてもらえると嬉しいです。それは、これから先の人生でもなかなか得難い、とっても特別な経験になろうと思います。
 
そんなエモいことを書いていますが、本当に素晴らしい音楽家や教育者は、ものすごく大きな〈感動(心の豊かさ)〉と、〈冷静さ〉を、両方、同時に持っています。みなさんも、きっとその両立ができる方々だろうと思います。
 
繰り返しになりますが、楽譜をよく見返して、これまでの稽古を振り返って、LINEのノートに残してくれている直したいポイントも必ずチェックして、発声など、プラスアルファでもっとこだわりたいところはきっちりとこだわって、最終稽古でお会いしましょう。
 
最後になりますが、
4年生のみなさん、卒業のぎりぎりまで一緒に合唱をしてくださり、本当にありがとうございました。あまりに立派な人たちすぎて、僕は何度も助けられました。最後の最後まで、後輩たちに、君たちの姿を見せてあげてください。
3、2年生のみなさん、よびごえの中核として、大変な1年間を支えていただき、本当にありがとうございました。1年生のみなさんも、初めてのよびごえでの春こんで、変な2曲に取り組むこととなり、本当にご苦労をおかけしたのではないかと思います。でも、1~3年生の育んできたこの1年間は、たしかにこの春こんのサウンドに溶けていますし、お一人お一人の個性が、様々な形で音楽に現れるような選曲になったことをとても嬉しく思っています。
僕にとって、一人ひとり、全員がとっても大切な存在です。僕の人生に合唱があったからこそ、みなさんと出会えたんですよね。合唱に感謝しなきゃいけませんね。
君たちと一緒に音楽できることを誇りに思っています。音楽を楽しみましょう。
 
体調管理、よろしくね。

小田直弥